結婚式直前のダグと友人のフィル、スチュ、そして花嫁トレイシーの弟アランがラスベガスへとバチュラーパーティへ。そこで手に入れたドラッグが売人の手違いから強姦用の強力なブツだったため強烈な二日酔い！目覚めたホテルには、なぜか本物のトラが吠えているし、肝心のダグは行方不明！
前夜の記憶を失った三人が残ったレシート等を手掛かりにダグの行方を追う、ハチャメチャコメディ。トラの持ち主がボクサーのマイク・タイソンだったという小ネタから始まり、前夜のバカ騒ぎが面白おかしく語られていきますが、変わり者で避けられていたアランが持ち味発揮で皆を感動させたり、口やかましい恋人がいるスチュが勢いでストリッパーと結婚式を挙げてしまったことをきっかけに真実の愛を知ったり、とウエットさもうまくミックスされていて上々のデキ！たのしー！
1950年代テキサスの田舎町。紳士的で人当たりが良く、銃を持たない保安官助手ルー（ケーシー・アフレック）は、売春婦ジョイス（ジェシカ・アルバ）を訪ね、街から出ていくように説得するはずが、ジョイスの挑発をきっかけに関係を持ってしまう。SM的な情事に酔う二人だったが、ジョイスは町の有力者の息子の女で、ルーは彼等の金で動かざるを得ない立場だった。
この解説だけでは本質の1％も伝えていませんが、ネタばれを懸念してこれぐらいで。「ジェシー・ジェイムズの暗殺」でのケーシーに惹かれた人なら、その感性が間違いではなかったと思い知るだろう作品です。ケーシー以外の他の誰にもこの役は無理と思わせるほどハマリであることは確か！内容を超えてそこが凄い作品でした。原作ジム・トンプソン、監督マイケル・ウィンターボトムという噛み合いそうもない組み合わせですが、予想以上のものあり！ 余談ですが「フィーバー」が流れるオープニングシーンのレトロさにはグッとくるものあり！ その割にはシリアスで暗黒だけどね！
幼い頃から吃音症に悩み、人前に出ることを恐れて育った英国王の次男ジョージ6世（コリン・ファース）は、多くの医師の治療を受けても改善されることなく心晴れることのない毎日。そんな時、妻の勧めでオーストラリア出身の名もなき治療士ライオネル（ジェフリー・ラッシュ）と出会うことに・・・。
父である王が死に、後を継いだ兄エドワード8世（ガイ・ピアース）の王位返上で後継者となることが決まり、国民に向けてスピーチをしなければならなくなったジョージと、毅然とした態度で彼を助けようとするライオネルの身分を超えた信頼、友情を描いた作品。うがった見方をすれば、人種差別の最たる「王」という存在を美化したものともとれますが、そこらにケチをつけるようではケツの穴の小ささを笑われるだけでしょうね！しっかりとした正当人間ドラマとして見る価値ありですが、正直、意外性に欠けるのは確か！狡猾なキツネを思わせる兄役のピアースが良い！
カナダ国境近く、先住民モホーク族居留地を抱えるニューヨーク最北部が舞台。ギャンブル依存症の夫が新居購入資金を持ったまま蒸発！二人の子供と共に残されたレイは、夫が乗り捨てた車を使って密入国者の移送をして稼いでいる先住民ライラと知り合い、心ならずも犯罪に手を染めていくのだった。
始めは喧嘩腰だった二人が次第に母として、女性として絆を深めていく姿を温かい視線で描いたヒューマン作。夫の死後、子供を義母に取り上げられたライラが子供を取り戻そうと危ない橋を渡っていることを知ったレイが、自分の子供の世話をライラに託し自首するラストは、しみじみした中にも伝わるものあり！極寒の中で暮らすプアアメリカンの悲哀も映し出されていました。
1918年、第一次大戦終末。ドイツ空軍部隊に転属されてきたスタックル大尉（ジョージ・ペパード）は、英雄の標である勲章ブルーマックスを得るためには手段を選ばず、命令無視や部隊の規律を乱してまでも敵機を撃ち落とすことに執念を燃やしていた。そんなスタックルが遂にブルーマックスを手にすることになるのだが・・・。
複葉機による空中戦の迫力はもとより、貴族階級で固められる将校の中、場末のホテルの経営者のもとで育ったスタックルのコンプレックスからくるのだろう、ギラギラした上昇志向を描いて見せるものあり！そんなスタックルを戦意高揚のために利用しようとするクルーガーマン伯（ジェイムズ・メイソン）、その妻でスタックルと寝ながらも、伯爵夫人としてのプライドのために愚かな行いに走るケイティ（ウルスラ・アンドレス＝ボンドガール）等の存在にはドラマ的深みあり！特に高慢ちきでありながら、上等なエロスを発散するウルスラにはヤラれたー！
完璧な結婚のはずだったジェシカに去られ、自殺にも失敗したボリス（ラリー・デビッド）は、人嫌いで皮肉屋でこの世は無意味と毒を吐くだけの毎日。そんなボリスがニューオリンズから家出してきた若い娘メロディ（エヴァン・レイチェルウッド）と出会い、しばらく同居することに。ところが、このメロディ、親より年上のボリスの「知性溢れるひん曲がり具合」が気にいり、次第に愛するように。
保守的で厳格だったメロディの母親マリエッタ（パトリシア・クラークソン）が、ニューヨークに来て、カメラマンとして目覚めた上、男二人と同棲し始めたり、浮気に走ったものの元鞘に収まろうとマリエッタを追いかけてきた父親が実はゲイである自分をカミングアウトしたりと、ウディ・アレンらしいシニカルさ満載！そこらをサラッとしたタッチで描いているのでダレることなく見れました。所詮はマリエッタの愛も勘違い！恋愛とはすべて勘違いなのでしょう、きっと！
仕事で負傷し、片足が不自由となった飲んだくれの冴えない刑事ジャック（ブルース・ウィリス）が、人手不足のために証人エディを16ブロック先の裁判所まで移送する任務に。ことは簡単と思われたのだが、車に乗り込んだ途端、エディを狙って殺し屋達が・・・。
以前に見た時は小粒なアクション作として、あっさり片付けたのですが、見直してみると、ダイハーダー、ウィリスものとしては、やたら大げさすぎることなく、それでいてテンポ良くまとめ上げられていて相当楽しめたので乗っけてみました。TVドラマ上がりでここまで来たリチャード・ドナー監督ですが、金使い過ぎない方がかえってチカラ発揮するのかも？ジャックとエディのバディムービーとしても味わいあり！ジャックの元相棒役でデビッド・モース。
コミックオタクでスーパーヒーローに憧れるヘタれな高校生デイブ（アーロン・ジョンソン）は、インターネットで自前のシーツとマスクを買い、その気になって悪と戦うために街へ。犯罪者と遭遇し、ボコボコになりながらも戦い抜いた姿がネット上で話題になるのだが・・・。
そんなデイブがマフィア組織の犠牲になった妻の仇を討とうとするビッグダディ（ニコラス・ケイジ）とダディが英才教育で育て上げた高度な戦闘能力を持つ娘ヒットガールと共に犯罪組織と対決するという、バカバカしいけど底抜けに楽しいスーパーアクション作！
ビッグダディが防弾チョッキを身につけた美少女ヒットガールに銃弾をぶち込むという派手な登場により、興味はディブを乗り越えすっかりこの親子に！とくにヒットガールの強烈な暴れっぷりには酔いしれました。
中流家庭のマイホームが並ぶ地方都市の郊外に引っ越してきたのはスティーブ（デビッド・ドゥカブニー）、ケイト（デミ・ムーア）夫婦に二人の子供ジェンとミックのジョーンズ家。さっそく近所の人達と交流を持ち、彼等が羨むような高級車やゴルフ用品、ゲームソフトから葉巻にインスタント食品までも買い揃えて派手に暮らし始めるのだが・・・。
てっきりラブコメものかと思ってたんですが、ジョーンズ家の正体が分かるにつれて意外に深刻な展開となる人生ドラマでした。ネタばれなのでストリーには触れませんが、ラストを甘口にしたのはどうだったんでしょうかね？とことん辛辣に描いてほしかった気が・・・。久々に見るローレン・ハットンがこの家族（？）の上司役で。
ギャンブル依存症で夫（レイ・リオッタ）の財産まで使いこんでしまう作家キャロリン（キム・ベイシンガー）、プロバスケ選手を目指す弟の試合に賭けて借金まみれ、結局は弟に八百長を頼み込むハメになるクライド（フォレスト・ウィテカー）、そのクライドを脅すノミ屋、ノミ屋を組織に飲み込もうとするギャング、ビクター（ティム・ロス）、ビクターとは旧知で、キャロリンとの出会いをきっかけに返り咲こうとするマジシャン（ダニー・デビート）等がリンクする犯罪タッチの群像もの。
こんな感じにそこそこのメンバーを揃えた作品に限って、あちこち焦点が定まらずに終わってしまうケースが多いので期待薄でしたが、キャロリンとクライドの性質の悪さには、見ていてイライラさせられましたから、結構入り込めたってことでしょうか？しかし、とってつけたような「オチ」にはガックリ！で「やっぱりこの程度かあ！」との思い。ダメ押しは妙に説教臭いラストの語りで、そこには監督の自己満足以外のものは感じられず！結局は相当ダメな作品ってことでした。