あいきょうのかけらもない頑固一徹オヤジや、決して口元を緩めることなく信念に従うプロフェッショナルを演じたらピカ一、それがクリス・クーパーです。
そんな持ち味が生かされたのが、流れ弾を食らいながらも、逆恨みすること無く真実を通す警官役を演じた「評決のとき」、頑固さを貫きながらも息子（ジェイク・ギレンホール）の夢を叶えるために生きる炭鉱夫役だった「遠い空の向こうに」、大ヒットしたジェイソン・ボーン・シリーズ「ボーン・アイデンティティ」、「ボーン・スプレマシー」でのCIA職員コンクリン、チョイ役だったけどプロっぽさを感じさせた「ジャヘッド」のカジンスキー中佐役、「キングダム/見えざる敵」でのFBI捜査官あたりか。
一方、その不気味なほどに冷徹な感じを生かした作品が「アメリカン・ビューティ」。 ここでは、自身の心に潜む同性愛嗜好を肯定できないことに苦しみ、異常なほどに差別主義者としてふるまう元海軍大佐を演じて強烈インパクトあり！ キレ者でありながらも、変態的なところもある、ちょっと掴みどころのないFBI職員を演じた「アメリカを売った男」でも、そんなキャラが生かされてました。
その他では、「ボーイズ・ライフ」、「マネートレイン」、「真実の瞬間」、「大いなる遺産」、「アダプテーション」ぐらいしか見てませんが、「真実の瞬間」では赤狩りから逃れるために仲間を売る男を演じて印象を残したし、スパイク・ジョーンズ監督による不思議作品「アダプテーション」では、蘭の栽培家役で評価されたようです。