鳥系ルックスのせいか、実力のわりに我国では評価されていない気がする。かくいう私も「シン・レッド・ライン」、「人質」、「サマー・オブ・ラブ」、「ラブ・ザ・ハード・ウェイ／疑惑の男」、「マリー・アントワネットの首飾り」、「戦場のピアニスト」、「ヴィレッジ」、「ジャケット」、「キング・コング」ぐらいしか見ていないのでデカイことは言えないが、案外好きな作品が多いので、ファンとは言えずも無視できない存在と思っている。
いわゆる大作よりも、「人質」、「ジャケット」あたりが好きで、特に「人質」で見せたサイコ犯役は良かった。 ＴＶ用の小品だが、共演の刑事役モーラ・ティアニー、その上司であり、夫でもあるのテリー・キニーもいい味出している。 犯人（ブロディ）があっさり捕まったのには意味があり、人質の在りかを巡り、刑事たちとの心理戦が始まるのだった。
「ジャケット」はパッケージからＳＭチックなイメージを持ってしまうかもしれないが、さっぱりしたタイムスリップもので見逃せないデキ。 手にしづらいパッケージ・デザインは敗北だが、ラストの余韻は捨て難く、見る価値あり。 共演者に伝説のマッケンジー・フィリップスの名あり。
その他では、連続殺人事件の犯人扱いされる青年を演じた「サマー・オブ・サム」での狂気も迫力ものだが、監督がスパイク・リーなので重苦しく、強力には推せません。 ニヒルな詐欺師を演じた「ラブ・ザ・ハード・ウェイ／疑惑の男」も、サスペンスとしてはちょっと弱いが、人間を描く意欲もあり結構楽しめるデキ。やり手の刑事役でパム・グリア。