アラン・ドロンと双璧をなす、フランス映画界のスター。 コメディセンスも抜群なので、ドロンより総合評価が高いのは当然だ。「カトマンズの男」と「気狂いピエロ」を同時期に撮っていたのだから、スケールのデカさも半端じゃない。私的には、フィルムノワールの最高作と信じている「墓場なき野郎ども」に、主演のリノ・ヴァンチェラに手を貸す役で出ているので、それだけでも評価。 数多い主演作の中では、ジョゼ・ジョヴァンニ監督の傑作「ラ・スクムーン」が一番好きで、あとは「恐怖に襲われた街」、「パリ軽視Ｊ」、「ボルサリーノ」あたりのアクションものが続く。「勝負（かた）をつけろ」、「いぬ」あたりもかなり好きなのだが、ビデオでしか見ていないのでインパクトがやや弱い。 「相続人」、「薔薇のスタビスキー」あたりのサスペンスは、劇場で見た時はムード満点で楽しめたが、展開がスロ−なので見直す気になれないでいる。
お馴染みの「勝手にしやがれ」他、「リオの男」、「ダンケルク」、「冬の猿」、「パリは燃えているか」、「パリの大泥棒」、「タヒチの男」、「００７／カジノ・ロワイヤル」、「オー！」、「暗くなるまでこの恋を」、「華麗なる大泥棒」、「おかしなおかしな大冒険」、「追憶のメロディ」等など、一時期はベルモンド目当てに見まくったものだが、この中では、「華麗なる大泥棒」がいいかな。 壮大なるスラップスティック・コメディ「００７／カジノ・ロワイアル」も見逃せない一編。