「ロッキー」のエイドリアンのお兄さん役で、知らない人はいないはず、名前はともかくとして。
小さな役ながら「生き残るヤツ」、「110番街交差点」、「チャイナタウン」、「熱い賭け」と、70年代の名作の数々に出演しているが、我が国で当時の彼の存在に注目した人は誰一人としていなかったろう。残念ながら私もそうである。
私の中での代表作は、名匠ロバート・アルドリッチ監督の「カリフォルニア・ドールズ」の悪徳プロモーター役。 あくどいヤツなのにお人好し感のあるところが魅力だ。 ドールズの一人、ビッキー・フレデリックがタイトル戦の挑戦権を得るために、彼と寝るのにはショック！ 映画を見ながら心底憎たらしいと思ったものだ。今さらながら ドールズのマネージャー役、ピーター・フォークが素晴らしい。 フレデリックとドールズを組むのが「探偵マイク・ハマー／俺が掟だ！」の秘書ベルダ役のローレン・ランドン。
ペキンパーにしてはヌルかった「キラー・エリート」、「コンボイ」にも。 忍者が出てくる「キラー・エリート」は違った意味で、多くのファンを持っているかも知れない。
肝っ玉オヤジ、ロドニー・デンジャーフィールドの「バック・トゥ・スクール」では、ヤクザな運転手役で持ち味発揮。 ここには情け無い息子役でキース・ゴードン。
ホンモノのヤクザを演じたのが、ヒュー・グラント主演のラブコメディ「恋するための３つのルール」だ。 息子を殺した犯人（ グラントの恋人で、マフィアの父を持つジーナ・トリプルホーンが誤って撃ってしまう ）を捜し、凄みまくっている。 ヤングが怖過ぎたせいか、ブラックな感じに仕上がっているが、悪くないデキだ。 ジーナの父親を演じるジェイムズ・カーンの、重そうにして軽いところが楽しい。
最後に自ら脚本に挑んだ「アンクル・ジョー」が、未見であることを正直に述べて、終りにします。