オープニングにおける、どぎつい総天然色感、「ブツッブツッ」という古臭さの演出、それだけでも「キル・ビル」の凄さがうかがい知れるが、内容はそれ以上。
たっぷり金をかけてチープさを演出する、タランティーノの狙いにくるいはない。
上手く表現できないが、特撮使用のチャンバラシーンにおいても、「マトリックス」とか「チャーリーズ・エンジェル」とかより、ずっと映画的気品に溢れていると思う。
「キル・ビル」はタランティーノ自身の描くイメージを、妥協することなく追求した成果が見事に表現されている傑作だろう。
毎回、渋いベテランを連れてくるタランティーノだが、ここでは「さすらいのライダー」マイケル・パークス起用。 ビル役をウォーレン・ビーティに依頼したが、断わられ、それを知ったデビッド・キャラダインが名乗り出たというのはホントの話だろうか？ 個人的には意外性のあるビーティにやってほしかったが・・・。
いまさら「Vol.1」を乗っけるのは心苦しいが、書かざるを得ない気分なので。