ブライアン・デ・パルマ監督作品の常連で、ムード満点のミステリー「愛のメモリー」、デ・パルマワールドが見事に展開された「ミッドナイトクロス」、デ・パルマが久し振りに本性をあらわして呆れさせた「レイジングケイン」と出演しているが、「ミッドナイトクロス」の殺し屋役は、かなり凄い。
ロビン・ウィリアムスのこれでもか演技の魅力が解らない私には、ちっともおもしろくなかった「ガープの世界」のオカマ役で注目（ オスカー助演候補に上がったらしいが、こんな役に賞をやってはいけません。 極端に言えば誰がやっても笑える役なのだから、演技以前の問題で完全なる「ゴッチャンゴール」なのです。 役者さんに賞を与えて格付けすること自体、すでにマスメディアの謀略だと言われればまさにその通りですが・・・）を浴びたが、私としては、見ているこっちまで具合が悪くなった「トワイライトゾーン」の恐怖演技が印象深い。 その前の幼稚なスピルバーグの一編に、むかついていたせいもあるのだが・・・。
リチャード・ドレイファスが子持ち探偵モーゼズ・ワインを好演した、「大いなる賭け」では屈折した犯人役、脚本がなってなかった「リコシェ」の変態系復讐鬼、何やっても深みのないスタローン主演の「クリフハンガー」での残忍なワルと、悪役が多いが、ジェイムズ・ガーナーが得意の、しがない刑事役をした「グリッタードーム」では、繊細で良心的な相棒役で意表をつく。 ネタを流してくれた少年が消されたショックで、自殺するラストは悲し過ぎる。
悪女系官能犯罪ミステリー「完全犯罪」では、有能で善良な銀行マン役を演じて、若く美しい妻（メッチェン・アミック＝濃い系美女）とその夫、エリック・ロバーツの罠にはまるが、そこはクセ者ジョン・リスゴー、ラストにどんでん返しは痛快。 但し、相も変らぬロバーツのワンパターン演技のワルぶりが邪魔くさく、せっかくの凝った展開も台無し。
その他では、セールスマンの悲哀を描いた「ダイナマイト・セールスマン」が見る価値あり。 作品的には楽しめたが、リスゴーは不気味なほど普通だった「メンフィスベル」の軍人役ってのもある。