世界的な大ヒット作「シックスセンス」で母親役を演じたものの、ハーレイ・ジョエル・オスメント君にすべてを持っていかれて、いまだに、知る人ぞ知る存在なのが、このトニ・コレットです。
「シックスセンス」でもそうでしたが、「ベルベット・ゴールドマイン」での悲劇のグラムロック・スターと結婚するマンディ役や、無目的に生きているウィル（ヒュー・グラント）といじめられっ子マーカスとの友情物語「アバウト・ア・ボーイ」でのマーカスの神経症的な母親役で見せた、淡々としていながらも、いまにもキレるんじゃないかと思わせる感じが、このトニ・コレットの魅力でしょうか？ 「アバウト・ア・ボーイ」じゃあ、実際、キレちゃうんだけど。
そんなトニ・コレットが、主人公との対比として欠かせない脇役ぶりを発揮したのが「イン・ハー・シューズ」でのわがまま放題な妹（キャメロン・ディアス）に恋人を寝とられる弁護士役。憂鬱そうな陰りを見せて、ありきたりなキャメロン・ディアスものに、いくらかでも深みを持たせていると言ったら褒めすぎでしょうか？
「チェンジング・レーン」では、やり手の弁護士（ベン・アフレック）の同僚で愛人のミシェルを演じキリリとしたところを見せましたが、そんな綺麗じゃないけど仕事のできる女ってのも似合っていると思いました。
けっこうクセのある顔（ながーいです、一瞬、トッド・ラングレン？ 失礼）をしているのに、どんな役をやっても大げさな感じがしないトニ・コレットですが、問題だらけの家族がカリフォルニアを目指す「リトル・ミス・サンシャイン」でも、余計な存在感を示すことなく「普通っぽい主婦」をさりげなく演じて好印象。
その他、「ハッピィブルー」、「シャフト」、「めぐりあう時間たち」ぐらいしか見ていないので、早々に退散しなければなりませんが、これからも決して油断せず見守っていこうと思ってます。