「ザ・ロック」、「交渉人」等のアクションものや、ジョディ・フォスター主演の「コンタクト」のパパ、「クレイジー・イン・アラバマ」では、暴力夫を殺して、憧れのハリウッドに向かうメラニー・グリフィスの兄の検死官。 ラッセル・クロウ主演、共演デビッド・カルーソが良かった「プルーフ・オブ・ライフ」のメグ・ライアンの旦那役等々、古き良きアメリカンの風情を残す、ジワリとした魅力で隠れファンを獲得している。
中では、アントニオ・バンデラスが監督した「クレイジー・イン・アラバマ」が意外に良い。 ブラックな味を含んだノスタルジックな作品で、人種差別問題も安っぽくなく描かれている。 デビッド・モースの持ち味であるヒューマンさも十分に生かされているし、裁判長役のロッド・スタイガーがまたしても良い。
デビッド・モースの名に期待して手を出してしまった「ワイルドチェイス」では、金塊泥棒を追う財務省捜査官役で。主犯がコンピューターを自在にあやつる知能犯、おとりになるのがチンケなエビ泥棒というアクションものだが、半端にコメディタッチなのが残念。 ハードに演じても、どことなく緩さがあるモースは悪くない。
なお、初期作品にはショーン・ペン監督、ヴィゴ・モーテンセンとの「インディアンランナー」がある。
最新作「１６ブロック」では、アル中刑事ブルース・ウィリスの相棒役。 ワイロまみれの刑事達が、証人を抹殺しようと画策するのだが、証人護送役に選ばれたのは飲んだくれのウィリスだった。 ウィリスがスーパーさを見せない分、渋い作品に仕上がっています。
悪役を演じてもどこか憎めなさのあるモースだが、ビョーク主演でなぜか人気のある「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の保安官役、ヒュー・グラントがサスペンスに挑戦した「ボディ・バンク」のＦＢＩ役などでも、ついつい応援してしまった。