19世紀末のロンドン。連続殺人犯として逮捕され処刑されたものの、墓場から蘇り、世界征服を企てる黒魔術の使い手ブラックウッド卿と対決するホームズ（ロバート・ダウニーＪｒ）とワトソン（ジュード・ロウ）の活躍を描く、ガイ・リッチー版ホームズもの。
なにしろホームズが格闘好きという設定なので、当然アクション満載！なので、「古典的渋さ」知らずの一編ですが、その分、テンポ良く展開されて退屈すること無し！ただし、それが良いことなのかどうかは疑問！ ワトソンの婚約者メアリーの身の上を推理してみせたホームズだが、やり過ぎてメアリーの怒りを買い、ワインをぶっかけられるのだった！ ワトソンが結婚し、自分の元を去るのが耐えられないホームズなのであった！
学生時代はアイドルだったのに、今は問題児の息子を抱えるシングルマザー、その上、昔からの友達と惰性で不倫を続けている姉ローズ（アイミー・アダムス）と、何をやっても長続きせず、いまだに父親ジョー（アラン・アーキン）と暮らす妹ノラ（エミリー・ブラント）が、今までの生活を一新しようと、事故現場のクリーニングを専門にする会社を立ち上げようとするのだが・・・。
母親の自殺がトラウマになっているノラというのは、イージー過ぎると思いますが、ずっと面倒を見てきたのに足を引っ張ってばかりのノラにローズがキレるってのは分かるような気がします。まあ、深みのある人間ドラマを目指しているわけではなさそうなので、そこらを追求する気はないですけどね。一攫千金を夢見る父親にアラン・アーキン起用なので、個人的にも無視できない作品なんですが、女同士の醜い見栄の張り合いとか、上っ面の興味だけで友達になったつもりが、あっという間に崩壊！とか、人と人との繋がりの難しさが映し出されています。そこらを暑苦しく描いてないので結構好きです。
北海道警察の裏金工作疑惑を調査する「百条委員会」の証言台に立とうとする現職警官、津久井（宮迫博之）に元恋人の殺害容疑がかかり、異例となる射殺命令が出たのを知った相棒の刑事、佐伯（大森南朋）は、同僚の小島（松雪泰子）等の協力を得て、津久井を守り通そうとするのだが・・・。
実際にあった事件をヒントに警察内部の暗黒を描いた刑事ものです。中盤までは、協力することになった刑事達が、組織に呑まれるか、人間としての正義を守るかの葛藤の中、真犯人を追って見せるものあり！ がしかし、クライマックスに近づくにつれ、いかにも角川映画的な地に足つかないエンターテイメント性発揮が裏目となり、リアリティが失われていきました。せっかく社会派を目指したのに、この監督ではやっぱり無理だったあ！
グリーティングカード会社で働くトム（ジョセフ・ゴードン＝レヴィット）が、アシスタントとして入社したサマー（ズーイー・デシャネル）に一目惚れ！運命を信じ、両想いになることを望むトムを、まるでもてあそぶようにつかず離れずの関係でいようとするサマー。そんな二人の恋の行方は・・・。
あれこれ思い迷い、振り回されるトムの毎日がカレンダーをめくるように映し出されていく苦味のきいた恋愛映画です。ひと思いにふってくれればいいものを、おかげでトムは悩み苦しむことになるのですが、不思議少女（リンゴ・スター好きで、カラオケではナンシー・シナトラを歌う）のはずのサマーが意外に当たり前だった結末には気抜け！とはいっても、ミュージックビデオあがりの監督らしく、全編、軽快な音楽をバックに、しゃれたポップ感覚が楽しめるので、サラッと見る分には問題無し！
それぞれの理由で金に困っている五人の男達（本木雅弘、佐藤浩市、根津甚八、竹中尚人、椎名桔平）が手を組んで、暴力団事務所を襲撃！現金強奪を企むのだが・・・。
ヌメッとしたエロティシズムがウリ？の石井隆監督が、バブル崩壊後の男社会を描いたバイオレンス作ですが、根津と送り込まれた殺し屋ビートたけし以外は過剰演技がハナについていけませんでした。がしかし、それなりの世界観は感じとれたので、好きな人がいるのは分かる気がします。殺し屋コンビや、本木＆佐藤にホモセクシャルな関係を持たせたのは、テリ・ホワイトの「真夜中の相棒」の影響ありか？それとも、北野武作品へのオマージュなのか？
山形県の内陸地方が舞台。高校野球予選大会で応援演奏する予定のブラスバンド部員が全員食あたりでダウン！ 唯一、免れた男子部員でピアノ担当の中村と代わりに募集された女子高校生達（上野樹理、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ等13名）が、急きょスウィングバンドを結成！吹奏楽コンテストに出場し、脚光を浴びるまでを描いた痛快青春もの。
全編おふざけ展開のコメディなんですが、クライマックスとなるコンテストでの演奏シーンがあまりに見事なのでマジな青春ものを見た気分になりました。後で知ったのですが、その素晴らしい演奏シーンは吹き替えなしってことですから、なおさら高評価！ サックスプレイヤー上野樹理のアドリブはカッコいい！
理想の結婚をしたつもりが夫の浮気が発覚！ 二人の子供を連れて家を出た40才のシングルマザー、サンディ（キャサリーン・ゼタ＝ジョーンズ）。そんなサンディが、ベビーシッターとして雇った心優しく、ピュアな青年アラム（ジャスティン・バーサ）と恋に落ちるのだが、24才の年の差に思い悩むのだった。
アラムと子供たちのやり取りが楽しいので退屈せずに楽しめました。旦那との再会で「息子の名前をジュニアからあだ名のパオロに変えてやるー！」と啖呵を切るサンディには溜飲！お互い愛しながらも別れを選ぶって展開はベタなラブコメを避けてのものでしょうが、とても40才設定とは思えない美を誇るゼタ（実生活では整形常連とのウワサ有り）ですから、別れる必要無し！と思えますけどね。サンディと別れ、世界中を旅するアラムの姿を当たり前のようにCG処理で済ますあたりは、時代とはいえ興醒めでしたが、結末が上品に仕上がっていたので許しましょう。
一見、穏やかな日常の中、行政事業の一環として舞坂町と隣町が戦争を行うという設定。舞坂町の旅行会社に勤める平凡な男、北原（江口洋介）は役場からの要請に従い、偵察員として職員の香西（原田知世）と夫婦になりすまして、隣町に住みつくことになるのだが・・・。
隣接する小さな町同士の戦争を、部族間、宗教間、そして国と国との戦争に置き換えて考えてみろってことなんでしょうが、ともかく退屈！ 114分の間に映像的な見せ場がゼロ！かといって理屈的に斬新さがあるかといえば、ありきたりで幼稚な発想！なので、辛かった！長かった！勝手に「バトルロワイヤル」みたいなものを期待した人は暴れるでしょう！
50年前、フランス料理を一般家庭に紹介し、アメリカの食卓に革命をもたらしたとされるジュリア・チャイルド（メリル・ストリープ）が苦労の末にレシピ本を出版するまでと、そのジュリアが紹介した524のレシピを365日で全て作り上げ、それをブログに乗せようと悪戦苦闘するジュリー（エイミー・アダムス）の姿を交差させて描いたヒューマンドラマ。
本格シェフを目指す男どもに混じって、名門「ル・コルドン・ブルー」に通うド素人ジュリアのドジっぷりや頑張り具合をユーモアたっぷりに描いていて楽しめましたが、所詮ジュリアは政府関係者の夫の赴任についてきた有閑マダム（料理研究家の絶対的条件だと思うのは偏見でしょうか？）ですから、出版までの苦労と言ってもしれている気がします。ジュリーの方は、軽くヤッピー批判な感じはありますが、「なぜに料理ブログなのか」が弱い気がしました。んなわけで、ちょっと辛口になっちゃいましたが、全体にはありきたりな人生モノ以上のものは感じられませんでしたね。
金に困った会計士のアンディ（フィリップ・シーモア・ホフマン）は、やはり、娘の養育費も払えずにいる気弱な弟ハンク（イーサン・ホーク）に、両親が経営する宝石店に押し入る計画を持ちかける。「店は保険に入っているので誰も傷つかない」と言われ、ようやくやる気になったハンクだったが、いざとなると怖じ気づき、代わりの人間に実行させたためにとんでもない悲劇が・・・。
シドニー・ルメット監督作品ですから、サスペンスと謳われていても重苦しい人間ドラマが展開されることは覚悟しなければなりません。さて、その内容はといえば予想通り、父チャールズ（アルバート・フィニー）とその父親に愛されていないと思い育った長男アンディとの葛藤がズシリとしたタッチで語られています。キレるホフマン、ビビリまくりのホークの対比も鮮やかですが、アンディの妻でありながらハンクと寝るジーナ役のマリサ・トメイも魅力あり！ なにしろ、そこそこの地位を気づきながらも出し惜しみなしですもん。
2004年の夏、テロの脅威が続く混沌のイラク・バグダッドが舞台。爆弾処理班リーダーの殉死に伴い後任として赴任したのがジェイムズ二等軍曹。前任者とは違い、無鉄砲でチームワークに欠けるジェイムズと、彼の支援にまわるサンボーン軍曹、エルドリッチ技術兵の姿を通してイラク戦争の恐怖を描いた作品。
命令無視でサンボーンが手をあげてしまうぐらいに問題のあるジェイムズですが、爆弾処理や戦闘ではチカラを発揮！ 三人は次第に良い関係を気づきつつあったのに、ある少年の死をきっかけにジェイムズが暴走し、そのためエルドリッチが負傷するという展開ですが、ジェイムズという人間の描き方にいまいち深みなく、説得力に欠ける気がします。ただし、砂漠での敵狙撃兵との戦闘シーンは臨場感があり、その部分では評価の高さも納得！
事故で瀕死の状態が続く妹を救うために、古代エジプトの秘宝とされる「復活の秘薬」のチカラを借りようとするアデル（ルイーズ・ブルゴワン）の活躍を描いたアドベンチャー。
秘薬の使用法を知っているはずの「4000年前の医学の天才パトモシスのミイラ」を盗み出し、その命を蘇らせて妹を救い出そうとする壮大なスケールのファンタジーですが、少年の心を持つと言われてその気になっているような幼稚な大人どもに媚びて「泣かせ」にいかなかったのは好感！ 笑えるかどうかは別にしてもかなりのコメディタッチの上、アデルのおっぱいサービスまであるんですから。とはいえ、監督がリュック・ベッソンだと思えば、物足りなさを感じた人もいるかもね？ エンディングは金儲けに走る？ ベッソンらしく、続編の予感。
1976年12月16日。ヴァ−ジニア州に暮らす、ノーマ（キャメロン・デイアス）とアーサー（ジェイムズ・マースデン）夫妻の元に、赤いボタンのついた奇妙な木箱が届く。その後、スチュワードと名乗る男が訪ねて来て「24時間以内にボタンを押すと、第一にどこかで見知らぬ誰かが死に、第二に現金100万ドルが二人のものになる」と言い残し去ってしまう。経済的に追い詰められていた二人は葛藤の末に・・・。
宇宙からの光を浴びてインベーダーとなったスチュワードの存在を素直に認められないと成り立たないSFものでした。そのスチュワードの言い分は「もし、人類が他人の幸せのために自分の欲望を押さえられないなら滅ぼすしかない」というもの。「人類は試されている」というSF王道的展開だなあと思ったら、原作はリチャード・マシスン。その割に複雑にしてるなあと思ったら監督はヘンテコだった「ドニー・ダーコ」のリチャード・ケリー。哲学的な部分には興味を持てたんだけど、「最低限のSF的辻褄合わせ」を曖昧にしているのが残念！
フィンランド、ヘルシンキに「かもめ食堂」という小さな食堂をオープンしたサチコ（小林聡美）の元に集まって来た変わり者の二人、ミドリ（片桐はいり）とマサコ（もたいまさこ）と、この食堂に通ってくるお客達との交流をほのぼのタッチで描いた作品。
いまさら語ること無しの荻上直子ワールド全開の大ヒット作です。なにひとつドラマティックな展開無しなのに心に沁み渡るものあり！ 三人がオシャレを決めて海辺でマッタリする場面がやけにカッコいいのはなぜでしょうか？ ヨーロピアンなファッションがやけに似合って見えるのはなぜでしょうか？ 決して美人とは言えないはずの三人が、次第に素敵に思えてくるのはなぜでしょうか？ ともかく言葉にし難い世界観のある作品です。舞台がヘルシンキのせいか、一瞬、カウリスマキ映画を思い起こさせるものあり！と思ったら「過去のない男」のマルック・ベルトラが出てました。
父親の残した自動車修理業を継いだジューン（キャメロン・デイアス）が、謎めいた男ロイ（トム・クルーズ）と出会ったがために、とんでもないトラブルに巻き込まれ、世界中を駆け巡ることになるというジェットコースター・アクション。ロイの正体は過去を抹消したエージェント！ 永久パワーを保つ電池を発明した少年の命を守るために、裏切り者や、武器密売組織と戦うのだった！
一言で片づければ、トム・クルーズがこれでもかと「オレ様って、カッコいいだろー」っぷりを発揮する荒唐無稽アクション作でした。この手の作品ではタフさとセクシーさをウリにしてきたはずのキャメロンも、クルーズの強さ、たくましさを強調するためか、「キャーキャー！」ブリッコ演技！それが似合ってないので正直、寒いです。さすがに、運転シーンだけはブリブリしてないですけどね。謳い文句である世界の都市を駆け回る場面もほとんど三秒ルール！ そんなわけで、アクション映画の地位向上には無縁のノーテンキな娯楽作でした。
15年前に亡くなった長男の命日。老いた両親（老齢のため閉院した町医者の父＝原田芳雄、母＝樹木希林）の家に顔を揃えた長女ちなみ（YOU）の家族、次男、良多（阿部寛）と再婚したばかりのゆかり（夏川結衣）とその連れ子の長い一日を描いたホームドラマ。
一見、ほのぼのしたタッチの中に、親のエゴ、医者として成功した父親のプライド、優秀な兄との比較にさいなまれる良多の見栄、等が「棘」となって突き刺さってくるのは、流石に是枝裕和監督作品。とくに、長男が自分の命と引き換えに助けた少年に対する両親の態度には、愛する者を失った悲しみの深さが浮き彫りに。
仕事一筋、男に無縁のクロスワードパズル作家メアリー（サンドラ・ブロック）が、叔母さんの紹介で嫌々ながら会うことになったスティーブに一目ぼれ。報道カメラマンのスティーブを追いかけて、あちこち現場に現れるのだが、その気無しのスティ−ブはとんだ迷惑！なのに、仕事仲間の報道記者ヒューズ（トーマス・ヘイデン・チャーチ）がメアリーを煽ったためにとんでもないことになるというコメディ。
好意的に捉えれば、普通に生きられない女性メアリーに愛を注いだ作品なんですが、ともかく妙に張り切るサンドラが良くも悪くもインパクト十分！おかげでラジー賞に輝いてしまいましたが、パズル作家らしく、物知りで次々にウンチクを語りだすというキャラ自体は悪くないので、他愛も無いラブコメと思えば損した感はありませんでした。それより、サンドラが製作も兼ねた作品はどこか説教臭い感じがするんですが、これもそうで、そこらの方がよっぽど問題！
職場の同僚、英里子と不倫中の俊介（役所公司）が、妻、美菜子（薬師丸ひろ子）の連れ子、舞華の「お受験」のための合宿所となった湖畔の別荘へ。三家族と講師（豊川悦司）とのあいさつを終えたところへ仕事だと言って英里子がやってきた！ あわてた俊介はその夜、英里子が泊っているホテルへ向かうのだが、入れ違いに別荘に来た英里子が美菜子ともみ合いになり転落死したことを知らされるのだった。
ゴシップを恐れる三家族が、全てをもみ消し死体を湖に捨てるまでを丁寧に描いて見せるものあり！ 外部の人間がほとんど出てこないので舞台劇を見るようですが、その割にはスト−リーに奥行きがあるので退屈はしません。そこは東野圭吾原作、元がしっかりしているからでしょう。途中で「オチ」は見えましたが、一応、人間のエゴ、醜さに迫るものありなので十分！
借金84万の大学8年生、竹村文哉（オダギリジョー）の部屋に、取り立て屋の福原（三浦友和）が乱入！ 福原が文哉に突き付けた借金をチャラにする条件とは、吉祥寺から霞ヶ関までの「東京散歩」につき合うことだった。
孤独な2人が過去に出会った知り合いを訪ね歩くうちに心通わせていく様を描いた脱力系ロードムービーです。この手の第一人者であるジム・ジャームッシュが完成させてしまっている世界なので新鮮味はゼロ！ これが70年代に作られていたら、もっともっと心に響くものがあったでしょうけどね。それでも時代的価値なんてのは、見てる者が勝手に思うだけですから、こういう「乗り」が大好きだという人がいても当然。福原がやたら、せき込んでいるのでビューキねたを心配してましたが、どうやら「含み」にしていただけだったのは救い！そこらを思えば決して嫌いな作品ではないですね。
サンフランシスコ市警のレイ（トム・サイズモア）が、麻薬捜索中に元IRAの爆弾魔スワン（デニス・ホッパー）率いる組織と遭遇！ 一味の一人クレアを逮捕したものの「クレアを解放しなければ、一時間毎に市内で爆弾を爆発させる」というスワンからのメッセージが・・・。
爆弾処理班のスペシャリスト、フランク（スティーブ・セガール）がレイと協力してスワンを追うというアクション作ですが、せっかくセガールがゴリ押しせず、サイズモアとホッパーにも華を持たせようとしているにもかかわらず、肝心の脚本がなっていないので伝わるもの無しの凡作に終わってます。悲しい過去を持つレイとフランクの絆も薄っぺら！これなら、たとえ一人ええかっこしいと言われようが、セガールがガンガンいった方がマシだったかも？
劇場公開タイトルは「沈黙のテロリスト」。
テレビ番組「焼肉バトルロイヤル」に出演し、連勝を続ける焼肉チェーン店「虎王」の御曹司トラオ（ARATA）と、そんなチェーン店を営業不振に陥らせるほどの人気を誇る小さな焼肉店「プルコギ」で働く若者タツジ（松田龍平）がテレビ対決することに。
タツジの師匠（田村高廣）の死も笑いにまぶして深刻さ無しだし、師匠の娘（山田優）とタツジの恋もさっぱり味！ 焼肉料理のウンチクもほどほどにテンポ良く仕上げられていて退屈すること無しの「食いもんコメディ」でした。トラオとタツジが幼い頃に生き別れた兄弟だったというオチも泣かせにかからず描いて好感！へんに欲張って「深み」を出そうなんてしてないところが良かったです。
ある中学の終業式後のホームルーム。担任教師（松たか子）が、このクラスに自分の娘を殺した生徒がいると語りだす。そして、その教師による犯人たちへの復讐が始まるのだった。
被害者側が復讐に立ち上がる作品は数多いけれど、ほとんどは悪を悪としてこの世から葬りさるというスカッとストレート（カタルシスを与えてくれる）なアクション系か、犯人を追いつめながらも、復讐の虚しさにその手を緩めてしまうという上っ面だけのヒューマン系のどっちか。この作品はヒューマン系の「ありきたりで安っぽい壁」を打ち破ろうとする意欲が伝わってくるものでした。だからといって好きな作品かと聞かれればノーですけどね。