自他共に認める演技派の代表とされているが、一方やり過ぎの過剰演技がハナにつくとの批判も？ そのような不らちな批判をするのは私だけだろうか？
「ステート・オブ・グレース」の大げさなキレ具合や、「レオン」のヒクヒク演技には閉口。 「告発」の副所長もかなりクドイし・・・まあ、その演技が作品を盛り上げていると言えばそれまでだが。
「告発」でいじめられる側にまわったケビン・ベーコンが連続殺人犯に扮した、「灰色の容疑者」ではベーコンの弁護士役で、ベーコンが真犯人と知り、立場を捨て証拠集めを始めるが・・・。 サイコものとしては弱いが、恋人役カレン・ヤングのタフぶりはなかなかのもの、もし彼女のファンがいるならお薦め。 刑事役ジョー・ドン・ベイカーは、あまりにあっさり射殺されてファンとしては残念。
タランティーノの脚本が冴えた「トゥルー・ロマンス」では、寝たきりのヤク中、レナ・オリンが凄過ぎた「蜘蛛女」では、さすがのオールドマンもおとなしめだ。
製作にも手を染めた「ザ・コンテンダー」などを見ると、その存在の凄さを認めざるを得ない気分になるのは確かだ。 「ハンニバル」では、レクター博士に顔の皮をはがされたメイソン・バージャー役で、豚に食われている。
自身の体験を基にしたとされる監督作品「ニル・バイ・マウス」は、さすがにねちっこさじゃあ右に出るもの無しのオールドマンらしく、クドさの極致！ 後味も悪くて、とても誉められたデキとは言えず。 伝わったのは意欲だけ！
追加
彼にしては控えめだったのに、デミ・ムーアが台無しにした時代劇「スカーレット・レター」の牧師役、ＳＦキラー（存在がすでに、ぶち壊し）ブルース・ウィリス主演の「フィフス・エレメント」にも、ド派手な衣装で大騒ぎしているが、どちらもつまらなさではいい勝負！
弟の死を逆恨みする犯罪者を演じた「SIN 凶気の果て」は、得意とするエキセントリックな役どころだったが、片腕を失ってなお強過ぎる、元刑事ヴィング・レームズにリアリティ無く残念！ それでも、人間を描く意欲は伝わってくるので、単なるアクションものとして闇に葬るには惜しい作品だ！
新作となる「スパイラル・バイオレンス」は、７０年代のスペインの山荘を舞台にしたサスペンスもので小品ながら、じりじりしたスリルがあり、一瞬、ペキンパーの「わらの犬」を彷彿。 オールドマンもクドサを抑えて悪くない。