そんなわけで「メゾン・ド・ヒミコ」に続き紹介の作品は、舞台はアメリカ南部の田舎町。 土地のものではない女性が殺害され、家庭も崩壊寸前のヤサグレ保安官ダール（ビリー・ボブ・ソーントン）が、犯人を追うことに。
捜査を煙たがるものによってワナにはめられたダールは、保安官の職を解かれるのだが、そこにはカジノ進出をめぐる有力者たちの影がちらついていた。 差別主義者でもある保安官を演じるビリー・ ボブの魅力がたっぷり味わえる作品で、彼のファンなら必見！ 単なるサスペンスを超える深みがあり、ラストの余韻にはグッときました。
ゲイの老人ホームを舞台に、死期の近いゲイの父と、その面倒をみている若い恋人、春彦（オダギリジョー）と、そんな父を嫌悪してきた娘、沙織（柴咲コウ）の思いを描いた作品。
こんな簡単な紹介だけでもケレンたっぷりな作品であることを察知し、手を出さない人がいるでしょうが、それは殆ど正解！ ただし、沙織と春彦とホームの仲間がディスコに繰り出し、一緒に踊り､歌うシーンはムードが一転して楽しい。 そのディスコで、ゲイに対して悪口を言うおっさんにキレた沙織に、春彦は愛を感じるのだが・・・。 勤める会社の専務と寝た沙織に、「専務が羨ましい」と言う春彦の一言が、この作品の唯一の救い。 同じような差別がテーマなら、次回紹介の「ジャスティス」のさりげなさの方がずっと好きです。
１９７３年、マサチューセッツ州。 結婚式の直前、ダイアナは銃撃事件に巻き込まれ命を落とすことに。 夫となるはずだったジョー（ジェイク・ギレンホール）とダイアナの両親（ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドン）は、互いに気遣いあいながら支えあって生きようとするのだが、事件が起きた時、ジョーとダイアナの仲は、すでに崩壊していたのだった。 裁判で犯人の罪の重さを問うため、ジョーはダイアナとの約束された未来を語らなければならなくなるのだが・・・。
こんなストーリーなのに、安易に泣かせにかからないところは好感！安っぽくない作品でした。 スーザン・サランドンはこんな役やらせたら最高です。
新種ウィルスに感染、凶暴化したゾンビに支配されていく人類。 前作「２８日後．．．」の続編となる作品ですが、感染してもゾンビ化しない遺伝子をもつ少年とその姉を守るために安全地帯を目指す、医師と狙撃手の終わりなき逃走が描かれています。
低予算Ｂ級映画の定番「ゾンビ」ものですが、エグさの中にも虚無感が漂うあたりは捨て難い！ 前作を監督したダニー・ボイルが製作。 主演と思われる少年の父親役ロバート・カーライルは、とんでもない扱いですが、ここらもカメレオン俳優と言われる所以か？
前作に続き歴史学者であり冒険家のベン・ゲイツ（ニコラス・ケイジ）が、一族の汚名をはらすために無謀な計画を企てるアドベンチャー・アクション作。
ライバル（エド・ハリス）とのカー・アクションから、大統領誘拐までノンストップで楽しませてくれます。 今回は父（ジョン・ヴォイト）と別れた母（ヘレン・ミレン）まで登場！ ありきたりな家族愛までも導入する欲張りな作りですが、幼稚さが売り（我ながら辛らつ）なこの手の続編としては、上々のデキ！ エド・ハリスはここでもおいしい役どころですが、ハーベイ・カイテルは、またも、どうでもいい役。
ティム・バートンとジョニー・デップの組み合わせというだけで期待値ゼロの私としては、エグくないことだけを祈り見ることに。
ご存知の通りロンドンを舞台にした有名ミュージカルの映画化ですが、上流階級に対する怒りは伝わるものの、なにしろ、カミソリ片手に歌いだしますから。 ジョン・シュレシンジャー版と比べればエグさもギリギリ耐えられましたが、正直、楽しんでいるのはバートンとデップだけ、てな感じでした。 まあ、これこそティム・バートン・ワールドだと言われれば、まさしくその通りですが。