ワル役で良い味を出しているハゲ系。 古くはチャールズ・ブロンソンとの「ボーダーライン」が印象的だし、ニック・ノルティ、ジーン・ハックマン、ジャン・ルイ・トランティニャン、ジョアンナ・キャシディと揃った「アンダー・ファイア」での傭兵役もポイントが高い。
ショーン・コネリーのサイコミステリー「理由」での狂人役も凄いが、こういった役は誰が演ってもそこそこオイシイので割り引いておこうかな。 それに、保守的な田舎町の警官に扮したローレンス・フィッシュバーンが強力過ぎたし。
案外、大物と思わせたのが「アビス」だった。 てっきりワルだと思っていたら、頼もしいリーダー役を見事にこなしている。 ただし、作品の出来としては、サスペンスフルな前半はテンポ良くグイグイと引き込まれたが、展開が変わる後半はCG前面で、人間不在と言えなくもないのが残念。 「殺人魚フライングキラー」のしょぼさが信じられない、ジェイムズ・キャメロン監督作品だ。
出番は多くないが「ザ・ファーム／法律事務所」のFBＩ役は、彼ならではと言える。 エド・ハリスここに在りだ。
内容は弁護士トム・クルーズが走りまわるミステリーアクションだが、脇を固めるクセ者が良い味出していたので、十分に楽しめるはず。 中でもホリー・ハンターが出色の出来、見直したと言うかちょっとびっくり。 ゲーリー・ビジーもチョイ役ながら悪くないし、クルーズの兄貴役デビッド・ストロザーンの演技してない感も良い。 ハル・ホルブルックが、お決まりの悪のお偉いさん役。
バリバリの主演作には「チャイナムーン」の敏腕刑事役があるが、官能的にせまるマデリン・ストウをあまりかっていない私としては、ハリスを罠にはめる新米刑事ベネチオ・デル・トロに釘づけだった。 名優エド・ハリスまでも喰っていた、デル・トロは凄い脇役になると思っていたら、翌日にはすでにトップスターにのし上がっていた。 私の目は完全に節穴だった。
近作では「ザ・ロック」のクーデターを起こす軍人達のリーダー、「レニングラード」でのドイツ軍のスナイパーと、重要な役を魅力たっぷりに演じている。
最後に異色作「ミルク・マネー」を紹介。 娼婦役のメラニー・グリフィスと、教師役のハリスの心温まるラブコメディ。 ハリスは素晴らしいが、問題はグリフィスだ。 彼女はイモか？否か？
書き落としがあったのでもう二本。 ギャング映画「ステート・オブ・グレース」では組織を守るために厄介者の弟（ ゲーリー・オールドマンがあいも変わらずクドイ演技で邪魔くさい ）を手にかける非情なボス役。 主演の潜入捜査官にショーン・ペン、共演にロビン・ライト・ペン、ジョン・タトゥーロ、バージェス・メレディスと揃っている。
イーストウッドが老いた泥棒に扮した「目撃」での捜査官役は、実直さをにじみ出させた好演で奥の深さを感じさせた。 女にだらしない大統領役にハックマン、良心的なシークレット・サービス役のスコット・グレンは罪を恥じて自殺。
その他、「ジャックナイフ」、「摩天楼を夢見て」、「アポロ１３」、「レイジングブレッド／復讐の銃弾」、「ビューティフル・マインド」、「めぐりあう時間たち」、「ボブ・ディランの頭のなか」、「僕はラジオ」、「白いカラス」、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」と見ているが、苦手なヒューマンドラマが多く、特に好きな作品はないが、「僕はラジオ」のフットボール・コーチ役は厳しい態度の中にも温かさを感じさせて、くさいドラマの救いとなっている。
最新作となるニコラス・ケイジ主演の「ナショナル・トレジャー２／リンカーン暗殺者の日記」ではニコケイのライバル役で、おいしいところを見せている。 作品的にも、まあまあで続編でこれぐらいなら良しとしなければ。