パゲで毛むくじゃらのくせに、セックスシンボルだったなんて笑っちゃうかもしれないが、彼の絶頂期を知らない人達が彼のキャリアを軽視しているのは、悲しむべきことだ。
タイトにダンディさを貫き通したチャールズ・ブロンソンや、現役バリバリのクリント・イーストウッドと比べるのは酷だが、暇つぶしに名画座めぐりをしていた頃から、ビデオ三昧の日々を送るようになった今日まで、変態ファンの私を随分と楽しませてくれた一人なのだから。
映画館で見た中で最も好きだったのが、エド・マクベイン87分署シリーズの「複数犯罪」。 レイノルズのキャレラ刑事役はどうかと思うが、軽いユーモアがちりばめられた都会的なタッチが好きだった。 公開時にボロクソに言われたのもその軽さのせいだと思うが、それを楽しめないセンスが理解できない。 ハンサム−バート・クリングにトム・スケリット。 張り込みのレイノルズに火をつける悪ガキ役で、チャールズ・マーティン・スミス。
傑作との評価が高かったジョン・ブアマン監督の「脱出」は、後味の良くない作品だったが、確かにインパクトの強い異色アクションと言える。 ウォルター・ヒル監督の最高作、「ブラボー小隊 恐怖の脱出」と同じ、異文化人につきまとわれる不気味な恐怖が描かれている。 主演にジョン・ボイト、共演のギタリスト役でロニー・コックス、謎の住民達に犯されるのがネッド・ビ−ティ。 私の中では未だに、彼にはこの作品のイメージがまとわりついている。
劇場では見逃したが、彼のセックスアピールと軽快なアクションが十分に楽しめたのが、バズ・キューリック監督の「シェイマス」で、むさい顔してクールな探偵役を演じるレイノルズは、今で言えばジョージ・クルーニー（ 「アウト・オブ・ザ・サイツ」の彼とジェニローは素晴らしい。 ひとえに監督ソダバーグの力だが、「トラフィック」を疑問視している私もソダバーグのシャレたセンスには脱帽だ ）のような可愛さがあるのかも。 やはりクールな刑事役を演じた「ハッスル」も上々のデキ。 監督にロバート・アルドリッチ、共演のカトリーヌ・ドヌーブは、存在自体がリッパすぎてハズしている気がするのだが？
「白熱」、「ロンゲスト・ヤード」、監督も兼ねた「ゲイター」あたりは、水準以上のデキで十分に楽しめるし、やはり監督もした「シャーキーズ・マシーン」はレイノルズの魅力満載の傑作。殺し屋のヘンリー・シルバが、作品を大いに盛り上げている。
他にも、浮名を流したサリー・フィールドとのカーアクションコメディ「トランザム7000」、「グレート・スタントマン」などがあるが、他愛もない作品で「レンタコップ２」の方がずっと良い。 「シティヒート」、「スティック」はひどいデキだし、転身をはかったロマンティックコメディには見るべきものが無かったような気がするが・・・。