代表作は「アンタッチャブル」。
やはりこの作品で男を上げたショーン・コネリーの人種差別発言にいきり立ち、間髪入れずに胸倉をつかむ血の気の多さは迫力満点。 最大の見せ場の「乳母車階段落ちシーン」の射撃の腕前には館内拍手の嵐だった。 残念だが、映画館で燃えたのはあれが最後だ。
「800万の死にざま」のガルシアも素晴らしい。 身体がデカくないのが良いし、野心ありありのぎらつき感が最高！ アル中探偵マシュー・スカダー役を華の無い、ジェフ・ブリッジスが熱演。 監督がハル・アシュビーなので、当然アクションより人間関係に重きが置かれていて、悪くないデキだが、ヒモ役のチャンスが原作よりずっと扱いが軽くて残念。 娼婦役には口のデカさが美貌より際立っていた、ロザンナ・アークエットと「クリスティーン」のアレキサンドラ・ポール。
大きな役ではなかったけど「ブラックレイン」のガルシアも、さっぱりしていて良かった。 きっと、くどくてしつこいダグラス、ユウサクのおかげだ。
その他では、監督、主演ケネス・ブラマー、共演にエマ・トンプソン（ケネスの奥方。しっかりとした美形）の、風変わり（甦り系？）だが優雅さのあるミステリー、「愛と死の間で」の新聞記者、盲目のユマ・サーマンがサイコキラーに狙われる「ジェニファー8」では刑事役、ウォーケンのワル役演技にはあきあきだったが、「デンバーに死す時」のガルシアは悪くない。
ガルシアが、内部捜査官役でワル警官のリチャード・ギアと対決する「背徳の囁き」は、ギアの悪っぷりが凄くて盛り上がるのだが、ラスト、追いつめられたギアが、「犯罪モチベーションは子沢山だ」と激白するシーンにはビックリ、ガックリ！
初期作品に、ジェリー・シャッツバーグ監督作のクライム・ロードムービー「ガンランナー」があるが、シャッツバーグとしては誉められた出来ではない。
近作を二本紹介。
重たい展開のサスペンス「沈黙の行方」では、我が子の自殺を防げなかった精神科医役を演じている。 亡くした子供と重なり合う少年を救おうとするのだが・・・。 別れた妻にチェルシー・フィールド。
エドワード・バーンズが詐欺師を演じる「コンフィデンス」では、執念深そうなＧメン役で出演。 出番は少ないがオイシイところを持っていっている。 バーンズにハメられるダスティン・ホフマンが凄さをみせて退屈しないデキだが、この手の作品は見ている側を引っ掛けようと懲りすぎるあまり、まどろっこしさが勝ってしまうことが多く、爽快感に欠けるのが残念。 その上、オチばれではねえ・・・。 詐欺仲間にレイチェル・ワイズ。