１６才のジュノは友達の同級生ブリーカーと興味本位にセックスし、妊娠してしまう。 一瞬、世の中真っ暗も、親友リアと相談。 養子縁組を望むカップルと契約し、子供を産むことにするのだが・・・。
暗いはずの話なのに、まったく悲観的になることなく、全てを受け入れるジュノの父親や継母やリアやブリーカーの存在によって、明るく前向きに展開される青春ラブストーリーで、全米でマイナーヒットした模様。 契約したカップルの方の関係が怪しくなるのがポイントですが、やはり地に足がついてなく、映画の中でしか通用しない話。 ただし、そこを批判するのはお門違いで、それ以上のものが感じられればオーケーのはず。 たしかに、後味の良さはありました。
私立探偵フリップ・マーロウ（ジェイムズ・ガーナー）のもとを訪れたのは、田舎から出てきた少女オーハメイ。 行方不明の兄オリンを探してくれとの依頼だったが、動き出したマーロウの行く先々には、アイスピックで刺された死体が待っていた。
主演がジェイムズ・ガーナーなので、かなり、ゆるキャラなマーロウで、謎の東洋人に扮して脅しをかけるブルース・リーとの対決はおおいに笑えます。 とはいっても、おふざけだけでなく、兄弟愛や女同士の嫉妬が絡んで、複雑すぎるほどの展開をみせるので、ミステリーとしても十分楽しめるはず。
アクション大作「トロピック・サンダー」撮影のため、ジャングル奥地に入り込んだアクションスターのダグ（ベン・スティーラー）、コメデイアンのジェフ（ジャック・ブラック）、演技派のカーク（ロバート・ダウニーＪｒ）を待ち受けていたのは、麻薬の製造をしているギャングがいる本物の戦場だった。
「プラトーン」などのパロディ、ギャグ満載ですが、当然、モトネタを知ってないと笑えないし、楽しめないのが残念。 やはり、ジャック・ブラックの下ネタはツラかったし、内臓が止めどもなくとび出してくる残酷シーンもかなりのツラさ！ それでも、監督も兼ねたベン・スティーラーの意欲が暑苦しいほどに伝わってくる作品でした。 黒人役に徹して演技派らしく見せるロバート・ダウニーＪｒが儲け役。
大学生のビル（ラルフ・マッチョ）が友人のスタンと大陸横断のドライブ中に、田舎町のコンビニで殺人事件の犯人と間違われて逮捕されてしまう。 ママに助けを求めると、やってきたのはいとこのビニー（ジョー・ペシ）。 ビニーは弁護士資格は持っていたが、裁判経験皆無のおちこぼれだったから、さあ大変！
裁判長のひんしゅくを買って罰金ばかり喰らっているジョー・ペシのドジっぷりが楽しめるコメディですが、協力する婚約者リサ（マリサ・トメイ）が、キュートなだけでなく男勝りの気風の良さを発揮して痛快！
ある日突然、街中に視力を失う人達が溢れ出し、収容所に隔離されるのだが、そこでも配給される食料を巡って権力闘争が始まるのだった。
ちょっと理屈先行の頭でっかちな感じもしましたが、謎の伝染病によって視力を失った人達の姿を通して、人間の奥底に潜むダークな世界に迫ろうとする意欲が伝わる作品でした。 たった一人見えている医師の妻（ジュリアン・ムーア）が、毅然とした態度をとり続けることで人類への希望としているようです。 ワル役でガエル・ガルシア・ベルナル。 フェルナンド・メイレレス監督。
１６世紀イギリス。 世継ぎとなる男子に恵まれなかった王（ヘンリー８世）にとり入ろうとしたブーリン家の悲劇を描いた歴史もの。 ブーリン家の自慢は、長女のアン（ナタリー・ポートマン）だったが、王が見初めたのはすでに結婚していた妹のメアリー（スカーレット・ヨハンセン）だった。
気まぐれでスケベなだけの王、結局はそんな王に振り回されてしまう勝気で負けず嫌いなアン、欲のつっぱったブーリン家の男たち等の醜悪さだけが浮きぼりになる、後味どころか最初から最後まで味の悪い作品でした。 隙あれば出産シーンにも、まいった！ 心優しいメアリーの存在もまったく救いになってません。
麻薬によって家族を失った６人の若者（ラウル・ジュリア、ロン・オニール他）が、警察の目を引こうと、組織のビルから麻薬を盗みだし、そのビルを爆破！ ティップス刑事（シドニー・ポアチエ）に協力を仰ぐのだが、事は思い通りに進むどころか、組織に事件を利用された上、６人の身には危険が迫っていた。
２作目があまりにパッとしなかったので、見捨てられても仕方なしのシリーズ３作目ですが、テンポ良くまとめられていて、個人的には大好きな作品です。 ギル・メレが担当した音楽もスリリングでかっこ良く、前作のクインシー・ジョーンズを上回るほど。
一万個以上の小さな部屋から作られているキューブに閉じ込められた人達が、はりめぐされた罠から逃れ、脱出を図るという衝撃サスペンス。
合流した人達（ドクター、数学を学ぶ学生、警官、建物の外装作りを担当した男、脱獄の名人、そして精神病の男）が、それぞれの持ち味を発揮する展開は爽快に映ってもいいはずなのに、言い争うたびに内面がさらけ出されてかなりダーク！ 奇をてらったアイデアだけの作品とは言い切れない不思議な魅力があり、各国で評価されたのも納得！ ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。
今さらですが見ました。 なんやら物理化学的な説明があり、地殻変動によって日本列島が海の底に沈んでしまうことに。 それを防ぐために命をかけるのが、潜水艇パイロット小野寺（草なぎ剛）、そして、小野寺と愛し合うのが、レスキュー隊員の阿部玲子（柴咲コウ）。 ＣＧの使いどころ満載の作品ですが、意外にも小野寺と玲子の純愛がメイン。 別れのシーンで流れる歌があまりにも大袈裟で、見ていてこっぱずしくなりましたが、それでもチャチなＣＧを見せられるよりはマシかも？ いや、どっちもどっちか？
映画化一作目となる歴史的作品。 ２０年ぶりに故郷、柴又に帰ってきた車寅次郎（渥美清）が、妹さくら（倍賞千恵子）との感動の再会も束の間、次から次への問題発言連発ですっかり嫌われ者に。 すねた寅さん、早くも家出して京都へ。 そこで出会ったのが、初代マドンナ幼なじみの冬子（光本幸子）、その冬子と共にちゃっかり柴又に戻ってきた寅さんだったが・・・。
シリーズ化されるとは思わなかったのだろう、いきなり、さくらの結婚式がメインとなっているが、後にレギュラーとなる隣人達のキャラがすでにして濃厚に発揮されている。 なにしろ、寅さんの歯切れのいいセリフ回しが楽しめる作品だが、後年の寅さんより手のつけられないところあり！ 例によって片思いの寅さん、冬子のひどい仕打ちにあって、再び旅の空！
長男の溺死とそれに続く次男（ティモシー・ハットン）の自殺未遂によって崩れていく家族の姿を通して、たとえ家族であってもおのおのが自分を見詰め合わない限り、真の絆など築けないことを伝えたロバート・レッドフォード初監督作品。
長男へ愛を注ぐことで自己愛を昇華させてきた母親（メリー・タイラー・ムーア）のかたくなさが、残された家族までも崩壊させてしまうのだが、長男の死以前から、この家族には絆などなかったのではないだろうか？ 暗く重い作品だが、心にズシリと残るものアリ。 父親役のドナルド・サザーランドが素晴らしい。
広告業界で働く、仕事人間ネルソン（キアヌー・リーブス）の前に、不思議な女性サラ（シャーリーズ・セロン）が現われ、「１１月だけ私の恋人」にならないと言う。 仕事第一で、恋人も二の次にしているネルソンは、そんなサラをうっとおしいと思うのだが、仕事でつまずいたのをきっかけにつきあいだすことに。
「期間限定の恋人」で察知できると思いますが、毎度お馴染みのビョーキものでした。 そのため、サラとの出会いにより、サラのまわりの住人達とも理解を深め、新しい生き方を見つけるネルソンの姿も色あせて見えました。 クールに描いたつもりだろう二人の別れも、所詮は悲しみの押し売り。
ひとりぼっちで誕生日を過ごすジロー（小出恵介）の目の前に現われたのは、一年前に一目惚れした彼女と同じ顔をしたサイボーグ（綾瀬はるか）だった。 それから二人の奇妙な共同生活が始まるのだが・・・。
人間とサイボーグのギャップが楽しく描かれているし、サイボーグが困った人を助け出すスーパーウーマンとなるのも痛快！ 「ターミネーター」とか、「エイリアン」などのパロディととれるシーンもあり、思った以上に引き付けられたのは監督（「猟奇的な彼女」のクアク・ジョエン）の力量かも？ サイボーグ役の綾瀬はるかが、次第に愛らしく思えてくるのも不思議！ ただし、終盤になってのタイムスリップの連続が、「時空の流れ」を複雑にし過ぎて、切れ味を失いズルズルになったのが残念！
仲間からはバカにされ、片思いのアリソン（フランシス・オコナー）にも相手にされないダメ男エリオット（ブレンダン・フレイザー）が、「願いがかなうなら何でもする」と祈ると、セクシーな悪魔（エリザベス・ハーレー）が現われ、「魂をくれるなら、七つの願いをかねえてあげる」と囁くのだった。
願い通りに成功者になったり、繊細な男になったり、マッチョになったりするのだが、結果は勿論誰しもの予想通り。 ハロルド・ライミス監督にしては毒気不足で平凡なデキだが、魔女役ハーレーのファンには大サービスのコスプレあり！ かなりの美形と思っていたハーレーだが、よくよく見ると鼻デカくない？
牧場主の父をヤクザな使用人チェイニーに殺された少女マティ（キム・ダービー）は、仇を討つために連邦保安官補ルースター・ゴグバーン（ジョン・ウェイン）を雇うことに。 チェイニーのボス、ネッド（ロバート・デュヴォル）を追っていたテキサスレンジャー（グレン・キャンベル）も加わって、荒野の追跡劇が始まるのだった。
ジョン・ウェインならではの豪快なアクション作ですが、気が強くて、賢くて、それでいて愛らしいマティと、西部に生きる男二人との掛け合いが楽しい。 人の死に直面するマティの姿をサラリと描いて、余韻を残しているのも良い。 悪党の一人で若き日のデニス・ホッパー出演、悲しい末路をたどる。
二週間の休暇を取り、シカゴから西海岸の遊園地（どうやらディズニーランドのようだ）を目指す一家（パパ＝チェビー・チェイス）のドタバタぶりを描いたロードムービースタイルのコメディ。 途中で立ち寄った親戚のばあさんが、強引に参加してくるのだが、ばあさんの愛犬を車につないだまま走りつづけてボロボロ死させたばかりか、ばあさんまでもが車内で病死！ その遺体を車の屋根に縛りつけたまま走り続けるという、かなりなブラックさあり！ それでいて笑いも誘うし、ほのぼの感もあり！ 異論はあるだろうけど、醜さの中にこそ真実があり、笑いがあることを証明した名作だ。
ＦＢＩのプロファイラー、マッケーレブ（クリント・イーストウッド）は、サイコ犯「コードキラー」を追跡中に心臓発作を起こし引退。 ２年後にドナーが見つかり移植手術に成功すると、ドナーの姉グラシエラが、妹を殺した犯人を探して欲しいと訪ねてくるのだった。 手術したばかりの体で調査に乗り出したマッケーレブは、担当医（アンジェリカ・ヒューストン）の制止も聞かず、犯人を追い詰めるのだが・・・。
イーストウッド監督、主演による、良く練られたサイコ・サスペンスで、「ネタバレ」するまでは、かなりの緊張感あり。 犯人が割れてからの展開が雑なのは惜しまれますが、ヒューマン路線で人気を得ている監督作品より、ずっとイーストウッドらしさが感じられました。
アメリカ南部が舞台。 二人の白人によって娘をレイプされた黒人カール・リー（サミュエル・L・ジャクソン）が、犯人を射殺！ カール・リーの弁護を引き受けたジェイク（マシュー・マコノヒー）は、白人社会による悪質な妨害を受けながらも、カール・リーの無実を勝ち取ろうとするのだが・・・。
ジョン・グリシャム原作の裁判ものですが、有罪が決定的な状況でのジェイクの最終弁論に説得力を感じなかったのが残念。 ジェイクを手伝うことになる学生エレン（サンドラ・ブロック）の存在にも必然性が感じられず、１５０分と長いわりにはアラが目立つ気がしました。
復讐のためジェイクを付け狙うのがキーファー・サザーランド、ジェイクの恩師にドナルド・サザーランドと親子共演。 ジェイクの妻にアシュレイ・ジャッド、相棒にオリバー・プラット、検事にケビン・スペイシーと、主演が落ちる分、共演陣はかなり豪華！ 銃撃の流れ弾で片足失う警官役のクリス・クーパーがここでもおいしい。
ＳＦ冒険小説の父ジュール・ヴェルヌの「地底探検」の完全映画化！とのことですが、完全とはどーゆー意味なのか？ などとメーカー側の謳い文句にいちゃもんなどつけず、少年のココロをもって見なくちゃなりません。 ストーリーは、科学者トレバー（ブレンダン・フレーダー）が、甥のショーンと地元ガイドのハンナと共に兄の残した本をたよりに洞窟へ・・・。
当然、ＣＧ全開ですが、こういった作品ではそれも仕方ないでしょう。 幼稚な作品と言ってしまえばそれまでですが、少年のココロを持たないオジサンにもほのぼの感だけは伝わりました。 どうでもいいネタですが、ブレンダンの日本語吹替はエロ男爵。
マンハッタンとニュージャージーを繋ぐ海底トンネル内で、核廃棄物を積んだトラックに暴走車が激突！ 偶然、現場にいた理由ありの元緊急医療隊員キット（シルベスター・スタローン）が、トンネル内に閉じ込められた人達の救出へ。
出口が塞がれ、水が溢れくるトンネルの中で、抜け道へとリードするキットと追いつめられた人達との諍いを描く様は、あのパニック名作「ポセイドン・アドベンチャー」を彷彿。正義派神父を演じることで、逆にブーイングを受けたジーン・ハックマンは、それだけ求められるものが大きかったのだが、果たして、スタローンは？ やはり、海の藻屑となるより不屈のヒーロー像を選び、単細胞俳優からの脱皮のチャンスを逃す。 けっこう見せ場も多く、人間味もある作品だけに残念。
ニューヨーク、チャイナタウンに赴任した新人刑事ウォレス（マーク・ウォールバーグ）と彼の面倒を見ることになったアジア系ベテラン刑事チェン（チョウ・ユンハ）が、ギャング同士の抗争に巻き込まれていくハード・アクション！ 犯罪組織はウォレスの父の借金を肩代わりして、ウォレスを引き込もうとするのだが、それを知ったチェンは自分と同じ過ちをさせまいとするのだった。
チョウ・ユンハ版ダーティハリーといった趣きのポリスアクションですが、ただ痛快なだけでなく、人間のダークな面にも迫ろうとする意欲あり！
が、しかし、チョウ・ユンハの演技し過ぎ感からくるクドさがハナについてならず。けっこう力作だけに、そこが残念。