クリスマス前夜、偶然出会ったジョナサン（ジョン・キューザック）とサラ（ケイト・ベッキンセール）はお互い恋人のいる身でもあり、惹かれあいながらも、いつの日か運命の再会を誓い別れることに。 それから数年後、二人はそれぞれの相手と結婚間近なのに、なぜか気になってならないのはあの夜の出会いだった。
冷たい言い方をすれば、マリッジブルーとやらをえらくロマンティックに描いただけで、互いの居場所を探してのすれ違いは昼メロ並み！ 土壇場で見捨てらる方はたまったもんじゃないって！そんな他愛も無い作品ですが、主演二人がサッパリしているのは救い。 それと気の利いた音楽も。 ニック・ドレイク使用なんてセンスあり！ この作品にマッチしているかは別だけど。
結婚間近の教師フェイス（マリサ・トメイ）が婚約者への電話を受けると名乗った相手はなんとデイモン・ブラッドリー！ １１歳の頃、占い師に結婚する相手と告げられた運命の名前だったからさあ大変！ まだ見ぬディモン・ブラッドリーを探してはるばるイタリアへ・・・。
まったくどうにもならないラブコメで、ロマンティックと謳われているけど、ここまでベタではさすがに誰もついていきませんて！ マリサ・トメイは結構好きなんだけど、妙にエロティックな面を見せるのでイカンです。 最初にディモンを名乗るロバート・ダウニー・Ｊｒ以上のランクの男優の名が無いので結末もお見通し。
得意のウソ（ライアー）を並べたて、勝ちまくる弁護士（ロイヤー）のフレッチャー（ジム・キャリー）は、息子マックスの誕生日パーティもウソをついてすっぽかす！ マックスが「たった一日でいいから、パパがウソをつかないよーに」と祈ったのが、神に通じてしまったから、さあ、大変！ フレッチャーは大事な裁判でホントのことしか言えなくなるのだった。
ブルーのボールペンをレッドと言えずに、のたうち回るシーンなど、ほとんど、ジム・キャリーの一人舞台だが、けっこう笑わせた上に、ほのぼのしたオチもありなので、肩肘張らずに楽しみたい方なら、多分、オーケー！ ただし、ジム・キャリー、クドイ！と思っている方はやめときましょう。
厳格な父親（アラン・アーキン）の命令で、母親のプレゼントのキャデラックをデトロイトから、マイアミまで運ぶことになった不仲な三兄弟が、互いの絆を取り戻すまでを描いたコメディタッチのロードムービー。
アラン・アーキン再確認のために見直しましたが、正直なとこ、型通りの兄弟愛、家族愛を描いた他愛もない作品です。 それでも、それなりに楽しめたのは、自分のルーツにアメリカン・ニューシネマがあるから。 もちろん、アーキンが好きだからでもありますが。
戦後まもない東京。美少女バラバラ殺人事件が連続する中、探偵、榎木津（阿部寛）は行方不明の娘を探す依頼を受けるのだった。 一方、不幸をハコに閉じ込めるカルト教のナゾを追う「憑物落とし」の中善寺秋彦（堤真一）も、又、バラバラ事件へとリンクしていく！
おどろおどろしさで引っぱる序盤の展開は悪くないのだが、いよいよ謎に迫りだし、ハコ型の建物にたどり着いてからは、売りにしたかったらしい特撮映像のチンケさに興ざめ！ 全てを台無しにした感じでした。
アメリカ史上最も有名なアウトロー、ジェシー・ジェームズ（ブラッド・ピット）を暗殺し、アメリカで最も卑劣な男と言われたロバート・フォード（ケイシー・アフレック＝ベンの弟）の人生を描いた作品。
気弱で、ジェシーを崇拝していたフォードが、名声への執着から引き金を弾いてしまうまでを実に丹念に描いてます。 なにしろ１６０分！ 長すぎて、ダレダレなので正直退屈！ それでも、テレンス・マリック監督の「天国の日々」を思い起こさせるシーン、展開もあるので、バッサリ切捨てはならず！ じっくりした作品が好きな人なら、案外気に入るかも。 ジェシーの兄フランク役でサム・シェパード、妻役でメアリー・ルイーズ・パーカー共演。
ジャンプ（瞬間移動）の能力を持つ孤独な青年デビッドは、銀行から大金を盗み自由な毎日を送っていたが、ジャンパーを異教徒として追う組織のリーダー、ローランド（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）達の手が迫っていた。
初恋の相手ミリーとの再会、幼い頃に家を出た母親の登場、ジャンパー同士のあつれき等々、アクション以外にも見せ場を作ろうとしているのだが、いっさい深み無し！ それでも、序盤はテンポも良く展開が見えないので引き込まれたのだが、ミリーが人質になってからは、みえみえでがっかり！ 単なるＣＧ多用のゲーム感覚作品に終わってました。 両親役にダイアン・レイン、マイケル・ルーカー起用も生かされず、無駄使いされているのが残念。
１９４３年、第二次世界大戦下のイギリス。 空軍兵士と恋に落ちた看護婦のシャーロット（ケイト・ブランシェット）は、フランスで消息を絶った恋人への思いから、訓練を受けスパイとなってフランスレジスタンス活動に合流するのだが・・・。
残念ながら、よくあるドイツ軍を絶対悪とした戦争サスペンスの域を出ず！ 自由のために戦ったとされるフランス人も実際にはかなりの人がナチの協力者だったという現実に、もっともっと迫って欲しかったです。 女性主人公ものは、どうしてもロマンスが入るので好きになれないんだけど、さすがにケイト・ブランシェット！ そこまで甘っちょろくなかったのが救い。
ニューヨークに出てデザイナーとして成功したメラニー（リーザ・ウィザースプーン）は、富豪の恋人にプロポーズされたのだが、高校時代に結婚した相手との離婚が成立していないことを秘密にしていた。 離婚手続きのために故郷へ戻ったメラニーが田舎者をバカにする態度をとっても、昔の仲間は温かく迎えてくれ、次第に失っていた自分を取り戻していくのだが・・・。
ラブコメ界のニューヒロインと言われるリーザ主演にしては、ドタバタ感がなく、しみじみした面もあるのでそこそこ楽しめるデキ。 問題はチマチマしたリーザに魅力を感じるかどうか？ ワタシはまったくダメでした。 キャンディス・バーゲンが気取った議員役で出演、メラニーに強烈パンチを喰らっていた！ メラニーのパパ役にフレッド・ウォード。
異常犯罪分析医ジョン・グラム（アル・パチーノ）の教え子が殺害され、その手口はジョンの証言によって死刑判決を受けたサイコ殺人犯フォースターと同じだった。 そして、ジョンには「８８分後には殺す」と脅しの電話が・・・。 自分を取り巻く人間達の中にフォースターの模倣犯がいると読んだジョンは、自ら事件の真相に迫るのだった。
どんなに謎めいたサスペンスでも重苦しい人間ドラマにしてしまうパチーノ主演作にしては、テンポが良くて楽しめました。 その分、ちょっと説明不足というか、強引な展開とも思いましたが、重たいだけで内容が薄いよりはずっとマシ！ 怪しげな女達がずらずらと出てくるのも魅力か？ エイミー・ブレネマン、デボラ・カーラ・アンガー共演。
タイトルが示す大日本人とは、てっきり抽象的な意味だと思っていたら、実際に巨大化して、社会に迷惑を及ぼすとされる獣たちと対決する宿命を背負った大佐藤さんの話だったのでビックリ！ 奇抜な発想はさすがに松本人志。 獣のエロエロ求愛ダンスにもビックリしたけど、それ以上はちょっと理解できず。 理解できなかったので楽しめなかったけど、ぼんやりしたものが残ったのは確か！ それを理解しようとすることをマッチャンは望んでいないと思うのでこれぐらいで勘弁。 あえてチープなＣＧ処理は、ウソのカタマリたるＣＧ全盛時代を笑いとばしていると思う。
自意識過剰で自己顕示欲の強い美大生たちの恋愛模様を描いた青春モノ。竹本（櫻井翔）は研究室で出会った抽象画家として評判のはぐみ（蒼井優）を好きになるのだが、才能豊かで遠慮のない友人、森田もまた彼女に興味を抱いて・・・。
どろどろした感じがしなかったのは、ひとえに竹本役の櫻井クンの存在による。 同じ美大生でも建築系というのもあるのだろうが、押し出しの強さによる脂っこさが皆無なので、見ている方としては救われた思い。 内容的にはありがちな恋愛映画の域を出てませんけど。
ニューヨークのばりばりキャリアウーマン、Ｊ・Ｃ（ダイアン・キートン）に遠い親戚から遺産が入ることに。 その遺産とは、なんと赤ちゃんだったから大変！慣れない育児に追われ、恋人は去り、仕事も降ろされ、疲れ果て田舎町に引っ越したのだが・・・。
典型的「災い転じて福と成す」コメディですが、キャリアウーマンがはまりのキートンならではの味わいあり。 その味を引き出したのが、共演の獣医役サム・シェパードとＪ・Ｃの部下で、こすっからさ発揮のジェイムズ・スペイダー。
連合赤軍が浅間山荘事件を起こすまでに、「総括」の名のもとに行った同士リンチの凄惨さを描いた作品。
革命戦士の姿を描く映画のメイキングを撮る若手監督の側からワンクッションおいて描かれてますが、リンチシーンのあまりの生々しさには引き込まれてしまこと必至！ 完全なる革命家となるために、自己の中にある反革命的な要素を排することを求められ、完璧な理論武装ができてないものは、「総括」という名のリンチにあってしまうのだった。
論理という名を借りたもっともらしいペテンを受け入れてしまった若者たちに足りなかったものは、いったいなんだったのだろうか？ ウソを見抜くチカラってのは天性のモノなんだろうか？ 個人的にはいろいろと思いをめぐらしてしまう作品でしたが、他人様に勧めることはいっさいできません。
大都会で冴えない生活を送る大の仲良しロミー（ミラ・ソルヴィーノ）とミシェル（リサ・クードロー）のもとに、トゥーソンの高校から１０周年の同窓会通知が届く。 二人は高校時代に馬鹿にされた同級生を見返そうとサクセス・ストーリーをでっちあげるのだが・・・。
他愛も無いコメディですが、女同士の見栄と嫉妬がたっぷり詰め込まれているので、思い当たる人には笑えない可能性あり。 多分、殆どの女性が該当！ ミシェルが付きまとわれても相手にしなかった男サンディが、大成功してミシェルに変わらぬ愛を告げてからは、一気にハッピーな展開。
黒人学生への差別発言で大学を追われた古典学教授コールマン（アンソニー・ホプキンス）が、失意の中で出会ったのは、暗い過去を背負った女ファーニー（ニコール・キッドマン）だった。 年の差のあるファーニーを心から愛したコールマンは、差別発言をするはずもない出生の秘密を打ち明けるのだが・・・。
文学的味わいがあるのは認めますが、ボリス・ヴィアンのパクリっぽいし、ファーニーにつきまとうベトナム戦争で心を傷めた夫（エド・ハリス）、コールマンの唯一の友人で世捨て人の作家（ゲーリー・シニーズ）と、まともな人が一人も出てこないせいで、悲しい人の悲しみ合戦となっているのも気に入らず！ いい役者が揃ってるんですがねえ。
カリフォルニアのイケイケ娘エル・ウッズ（リーザ・ウィザースプーン）は、高校を出て良家のお坊ちゃんワーナーのプロポーズを待つだけ。 ところが、このワーナーが政治家になるためハーバードを目指すことになり別れることに。 あきらめきれないエルもハーバードを目指し、見事に合格！といくらコメディとはいえ、あまりのハチャメチャさについていけないし、なによりリーザが可愛くないので投げようとも思ったのだが、エルが法律を学び弁護士助手になってからは、にわかにミステリー展開！ リーザもキリリとしてきて案外綺麗に思えてくるから、これ不思議！ そんなわけで、大ヒットの理由も納得！ 製作サイドの完全勝利でした。 理屈抜きで楽しみたい時に最適では。
なお、続編とされる「キューティ・ブロンド／ハッピーＭＡＸ」は、前作とほとんど同内容の詐欺的作品で被害届続出！
ご存知の通り、ル・マン２４時間耐久レースの過酷さをドキュメンタリー・タッチで描いた作品で、レーサー役、ステーブ・マックィーンのニヒルさも魅力。 「ブリット」のような派手さやドラマ性はありませんが、雨が降り出してからの臨場感には手に汗！ どんな条件でも絶対にスピードが落とせない勝負なのが、ビンビンに伝わってきて迫力満点。 一瞬、事故車に気を取られたためハンドルを切り損ねたマックィーンの車は大破、自身は軽傷だったが、乗る車がなくなり・・・。
ＣＧ時代となった現代こそ見直されてもいい作品だと思います。 いまさらですが、カーアクション特集で書き落としたので。
何と言っていいのか、しばし言い草に悩む作品でした。 マサチューセッツの高校生ドニー・ダーコ（ジェイク・ギレンホール）は、家に飛行機のエンジンが落ちてきてからというもの、目の前に銀色のウサギが現われだし、そのウサギは「２８日後にこの世が終わる」と告げるのだった。 ダーコの幻想に付きあわされただけなのか？ それとも、「覆水盆に返らず」をありきたりな発想で覆そうとしただけなのか？ いずれにしても、マイナスのインパクトだけは十分に伝わってくる不思議な作品でした。
どう持ち上げても、いまさらながら世界のクロサワの偉大さをクローズアップさせた以外に何も無い困りもの。 何がマズイかと言えば織田裕二！ 別に彼がイモだと言う気もないし、その点ではむしろ三船の方が××かもしれない。 がしかし、三船の持つあの声、あの面構えからくる無骨さがあってこそ生きてくるユーモアが、織田裕二では絶対ムリ！ キーも高いし、顎さすっても髭もなしじゃあ、客もコナーイ！ 唯一の救いはオバチャン顔で敵役を演じる豊川悦司の存在でしたが、クライマックスの斬り合いもまったくの期待はずれで、とことんお寒いデキでした。
未成年の麻薬密売人ジョニーは、仲間のジェイクが商売にしくじり借金を返さなかった見せしめに弟を誘拐するのだが・・・。 軽い気持ちでの誘拐がＦＢＩも乗り出してくる大事件となり、事件に荷担したものは次々と逮捕されていくのだった。 実話をもとに最年少の連邦犯罪人となった少年と、その取り巻き連中の姿を描いたニック・カサベテス監督作品。
少年たちの無軌道な生活を見ているとゾッとさせられるとともに、こんなの見たら日本の若者が、自分らはまだまだまとも過ぎと勘違いしないか心配。 肝心のデキはといえば、「実話」ということに甘えたハラハラドキドキ感のないサスペンスで、個人的には退屈。 だからといって見る価値なしとは思わないけど。 少年たちの親の役でブルース・ウィリス、シャロン・ストーンが出演。
時は幕末、将軍の影武者を勤める別所彦四郎（妻夫木聡）は、仕事も無く毎日をもてあますあまり、ついつい出世を神頼み。 ところがなんと、とりついたのは、貧乏神、疫病神、死神の災いの三神だったから、さあ大変！ 彦四郎があまりに良い人なので、神は宿替えをするのだが、死神の宿替えを拒んだ彦四郎は、武士のプライドを胸に影武者として戦場へ！
ほのぼのした中に、人としての生きる意味を描いていますが、展開に意外性が無いためか、彦四郎の運命に思い及ばず、残念ながら心に残るものなしでした。 浅田次郎＆妻夫木人気に乗っかった軽い作品と思えば許せますけど。