麻薬課の刑事リタ（ウーピー・ゴールバーグ）が潜入捜査に失敗！その夜、取り逃がした売人が麻薬製造所で死体となって発見され、粗悪なヤク「危険な天使」が巷に流れることに。多くの被害者が出たことに怒り狂うリタと、麻薬を奪ったギャング、その麻薬を取り戻そうとする組織との三つ巴の戦いが始まるのだった。
全体にはウーピー版「ビバリーヒルズ・コップ」とも言える軽快なアクションコメディなんですが、麻薬王の命令でリタにつきまとうマイク（サム・エリオット）が、リタに思いを寄せるってのはかなり無理あり！それ以上に無理だったのが、そのマイクにリタが少女時代のトラウマや麻薬捜査にのめり込む理由を語るところ。とってつけたような安っぽいヒューマンドラマ展開となり、せっかくのアクションコメディが台無し！リタの相棒刑事にルーベン・ブラデス。
小さなスーパーマーケットの店長役というオファーを受けた老俳優（モーガン・フリーマン）が、役のリサーチのためにロス郊外の閑散としたスーパーへ行くのだが、店長は不在なうえ、迎えの車が約束の時間を過ぎても来ない。仕方なく店内をうろつくうちに、レジ係から抜け出すため秘書の面接を受けようとしているスカーレット（パス・ベガ）と知り合うのだった。
レジ係として凄い能力を発揮するスカーレットと俳優の絡みが、独特のユーモア感覚で描かれていていて楽しい！なのに、俳優が面接の手助けをする展開になってからは、啓蒙思想的な「おしつけ」がハナにつきだして残念！ 製作にも参加しているモーガンの正直な思いが反映されているんでしょうけどねー、もっと、さりげなく映し出してくれないと・・・。
古本屋の長男で、夢は「世界一怖いお化け屋敷を作ること」という照男（荒川良々）と、その幼なじみでお人好しのサラリーマン、久信（岡田義徳）と、手先も生き方も不器用な画家志望のあかり（木村佳乃）が織りなすユルユルな青春ドラマ。
オタクな生き方でもなんとかやっていけそうな照男はともかく、実社会ではまったく使えそうもないあかりが、恋人（骨董修理職人の湯原＝ココリコ田中）にも恵まれ、友人たちに囲まれて楽しく暮らしていく姿を見て「全然大丈夫」と思ったら、大間違い！ あかりはそこそこ綺麗だし、絵という好きな世界があるから救われているわけで、リアル世界ではそううまくはいきません。なのであくまで夢物語なんですが、このユルユル感は嫌いじゃあないですね。あかりに思い寄せる照男、久信が、あっさり湯原に持っていかれても、なお、友人付き合いが続くという「甘っちょろい友情」も、なぜか許せました。きっと、二人のキャラに好感が持てたからでしょう。
市立病院が舞台。院長（ダブニー・コールマン）、ドクター（ハリー・ディーン）、若きインターン（マイケル・マッキーン、ショーン・ヤング）、看護婦（パメラ・リード）等に、病人たちが絡んで繰り広げられる過激ブラックコメディ。「プリティ・ウーマン」のヒットがあるゲーリー・マーシャル監督のデビュー作のようですが、面影ゼロでハチャメチャやってます。
全身麻痺で入院したギャングのボスが、対立する組織から差し向けられた殺し屋（松葉づえに仕込まれたマシンガン！）と同室になってのドタバタ展開はけっこう笑えますが、お色気絡みのギャグや下ネタには「笑いのツボ」の違いを感じるし、手術中の「おふざけ」も笑い爆発とはいかないんで、ややもすると不謹慎な感じが残ります。そんなわけで、下手したら多くの人を敵にまわす可能性ありの一編です。デミ・ムーアがラストちょっとだけ映ってました。
ボクシング一家に生まれ育ったジャッキー（メグ・ライアン）は、女だというだけで大好きなボクシングに関われず大人に。今はボクシングがただで見れるという理由だけで大物プロモーター、ラロッカの下で働いていたが、ある時、ラロッカと大喧嘩！売り言葉に買い言葉で自分で選手を育て上げると豪語してしまったのだが・・・。
女性マネージャーとして成功を収めたジャッキー・カレンのサスセスストーリーです。一目で素質を見抜いてスカウトしたルーサー（オマー・エプス）、昔馴染みの老トレーナー、フェリックスと共に上りつめるまでの険しい道のりを描いて見せるものあり！ クライマックスとなるタイトル戦は、パターン通りとはいえ盛り上がるものあり！スポ根もの強し！ドラマ的にも、メディアに注目を浴び天狗になったジャッキーに見切りをつけるルーサーというのは、女性マネージャーものならではの逆展開で新鮮！ ただし、肝心のメグ・ライアンには泥臭さゼロで、相変わらずのウソ臭さがつきまとってます。
無実の罪で刑務所送りになっていたハンニバル（リーアム・ニーソン）が脱獄、部下のフェイス、B.A、マードック達と合流！自分たちの無実を晴らすために大作戦を展開させるという、かつて大ヒットしたTVシリーズの映画化。
ジョージ・ペパードがリーダーに扮したTV版は、荒唐無稽なアクションとユーモアが売りでしたが、海外ドラマには「それなりのリアル」を望んでいたのでのめり込めず！なので、思い入れも無く期待値ゼロでしたが、荒唐無稽さを生かしつつハードなアクションが展開されるので、難しい事さえ言わなければ十分に楽しめるデキ。現在となっては粋でいなせなペパードのユーモア感覚を懐かしむ人もいないでしょうし、ね。
それよりなにより、フェイスと良い仲でハンニバル達を追うことになる捜査官ソーサ役のジェシカ・ビールが気になりましたねー。もちろん美人扱いなんだけど、ちょっと口が出ていて、どこかアメリカ先住民ぽいんだよねー！
ボストンの警察署が舞台。職権を乱用してドラッグの密売や窃盗を繰り返していた悪徳刑事たちが、その道のプロを仲間に引き入れて銀行の地下金庫を狙うことに。まんまと成功させたのだが、彼らの悪い噂を耳にしていた警察署長が捜査に乗り出すことになり、リーダー格の警部ジェリー（レイ・シャーキー）は徹底的にマークされるのだった。
時効までの5年間の地道な捜査と仲間割れとなる犯人達の姿を追ったポリスストーリーです。仲間割れから崩壊に向かうってのはパターン通りですし、TV映画なのでスケール感も無いんですが、そこらの地味ぃーな感じは好きですね。良質な刑事ものの決め手となるのは、目先のハッタリ・アクションよりも地道な捜査なんです。
警察のトップにジョージ・ケネディ、現場で捜査に当たるのがエドワード・アスナー、悪徳刑事の一人にジェイムズ・キーチと地味ながらも、それなりの面子を揃えてます。ギル・メレによるジャズロックサウンドも大都会の犯罪ものらしいムードを醸し出してます。
南極観測所アムンゼン・スコット基地が舞台。過去のトラウマ（金のために犯人を逃がそうとした相棒を射殺）から逃れ、極寒の地に移った連邦保安官キャリー（ケイト・ベッキンセイル）が、基地内で起こった殺人事件を追うというサスペンス。
1950年代に墜落したロシアの飛行機に残されたモノを巡る殺人事件追うのですが、雪に埋もれた機内に入り込むあたりは、一瞬、「遊星からの物体X」を彷彿させて緊張感あり！ 全体にテンポ良く展開されるし、売りであるホワイトアウト（吹雪により視界ゼロ）の中のアクションもハラハラもの！ その割に決着が弱いのは残念ですが、そこまで期待してなかったので上々！ 建物から建物へ移動するのにもロープを伝わっていかないと、風に吹き飛ばされて道に迷ってしまうってんだから、キビシーよ、あそこは。
凍傷になったキャリーの指を切断することになるドクター役にトム・スケリット。
夫に去られ、息子と暮らすプリマ、ミリアム（アレッサンドラ・マルティネス）は、画家のピエールと出会い、幸せな日々を取り戻したのも束の間、ヨット事故でピエールと息子を同時に失ってしまう。絶望の中、息子の夢の全てをカメラに収めるために旅に出るのだが、旅先でカメラを盗まれてしまうのだった。
偶然、盗品のカメラを手にしたことから、映像の中のミリアムの魅力に取りつかれた未来学教授マルクが、ミリアムを再生の道へと導くという人生もの。悲しみのシーンでさえ華やかさに満ちているので、リアリティ欠如と言われかねないですが、そこは、映像マジシャン、クロード・ルルーシュ！「理屈」を超えて見事な映像世界へと昇華させています。この作品、ミリアムが美人でなかったら、成り立たないんじゃあ？ そんなクソリアリストでも、見終わったら許してました。
野心家の外科医メイフィールド（レナード・ニモイ）は、新薬開発の名声の一人占めを企み、共同研究者ハイデマンの心臓手術で通常は使用しない「溶ける糸」を使い事故死を装うのだが・・・。日頃からメイフィールドを良く思っていなかった看護婦シャロンに気づかれてしまい、シャロンを殺害するのだった。
心優しく正義感の強いシャロンの命を奪ったメイフィールドに喰らいつくコロンボ（ピーター・フォーク）ですが、追い詰められたメイフィールドが、再手術で取り出した「溶ける糸」の行方を追って大ピンチ！ メイフィールドにプレッシャーを与えるためとはいえ、語気を荒げるコロンボというのは珍しいんじゃあ？ コロンボが刑事としての迫力を見せる一編です。
日本を追われ、弟ケン（真木クロウド）のいるロスに渡ったヤクザ山本（ビートたけし）は、ヤクの売人となっていたケンをトラブルから救ったことをきっかけに新しい組織を築き、暗黒世界でのし上がろうとするのだが・・・。
マフィア組織に飲み込まれることを拒否してからは、血を血で争う抗争となるヴァイオレンスものですが、この作品の価値はマフィアの攻撃により、組織がばらばらになってからの展開にあります。山本をアニキと慕うデニー（オマー・エプス）の命を守るために細工し、死んでいく山本の姿に、人と人のつながりは「理屈」ではなく、「血」でもないということが映し出されています。それはイコール、フランスノワールものへの北野武のオマージュなんでしょう。映像美も含め、それだけの価値が感じられる作品でした。
富豪のネオナチ、ドレスラー（アラン・ベイツ）の画策によって、スーパーボール開催中のスタジアムで核爆弾が爆発！ ロシアの攻撃と判断したファウラー大統領（ジェイムズ・クロムウェル）は、反撃態勢をとるのだが・・・。
核戦争を止めるため、ロシアの関与を否定する証拠集めに奔走するジャック・ライアン（ベン・アフレック）の活躍を描くサスペンスです。ハリソン・フォード、アレック・ボールドウィンに続くライアン・シリーズ第四弾は、顔の長さほどには押し出しのないベン・アフレック主演となりましたが、スーパーな活躍をしない点ではライアン博士って感じが出ていて悪くないです。ただし、作品的にはちょっと地味目！ 爆発が起こるまではアクション無しですから、派手な展開を望み過ぎるとがっかりかもね？
現金輸送車の警備員たちが、狂言強盗による大金強奪を計画。親の残した借金に苦しんでいたタイ（コロンバス・ショート）は、心ならずも仲間に加わってしまうのだが、ペインズ（ローレンス・フィッシュバーン）が現場にいたホームレスを射殺したことから対立！ 難攻不落の現金輸送車の中に閉じこもるのだった！
リーダー役でマット・ディロン、仲間の一人にジャン・レノ、警備隊のボスにフレッド・ウォードという豪華メンバーに期待大でしたが、密室劇風な展開の小品でした。それでも、個人的にはこのぐらいのアクション作は大歓迎！ なにしろ軽快にまとめ上げて上映時間は87分。ただし、アクション映画の地位向上を願えば、ジャン・レノが扮したクインの人となりにまったく触れられていないのは残念！
仙台の大学に入学が決まり一人暮らしを始めることになった椎名（濱田岳）は、引っ越し先のアパートで、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさんでいたことからミステリアスな隣人の河崎（瑛太）と知り合うことに。もう一人の隣人であるブータンからの留学生ドルジのために、本屋から広辞苑を盗み出すという河崎に手を貸すハメになるのだが・・・。
ディランの歌を神の声とする若者たちの正義感が悲劇を生むという、はかなくも美しい青春ものでした。椎名を語り部の如く存在させて、ドルジとその恋人の琴美（関めぐみ）と琴美の元恋人（松田龍平）の不思議な関係を見事に描いています。ネタばれになるのでこれ以上は書けませんが、ディランどうこうじゃなくても、見る価値あり！ ただし、松田龍平の無意味な病気ネタが無ければもっと良かったんですがねー、惜しいー！
原作は自身も仙台で学生生活を送ったという伊坂幸太郎。
絵画の修復に従事するアマンダ（モニカ・ポッター）は、気に入った絵と気に入った男の前では膝がガクガク！ そんな惚れっぽさのせいか、男には騙されてばかりで、またまた同棲相手に浮気され家を出て四人のモデルとルームシェアーすることに。ようやく向かいのアパートの住人ジム（フレディ・プリンゼJr）といい関係になるのだが、窓越しにジムが女を殴り殺すところを見てしまうのだった。
他愛も無いラブコメのはずが、一転、ヒッチコックの「裏窓」のパロディとなるあたりは、一瞬「オッ」と思わせますが、その意外性が持続しなかったのが残念！ 後半はスラップスティックなドタバタ展開となりますが、その分、ラブコメの生命線となるロマンティックさに欠けるので、一般女性受けは無理！ アクション・コメディとしても弱過ぎるし、主演のモニカにも、さしたる魅力なしなので不発も止む無しでしょう。ただし、四人のモデル嬢がそこそこなので全体には華やかさ有り！
ジム役のプリンゼはどっかで見たなあ？と思ったら「24」ファイナルでコール・オーティス役でしたね。
ニューオーリンズの警官ダニー（ジョン・シナ）は、凶悪なテロリスト、マイルズ（アイダン・ギレン）の逮捕時に、マイルズの恋人を事故死させてしまう。一年後、ダニーを逆恨みするマイルズは脱獄し、ダニーの恋人モリーを誘拐！1 2の罠を仕掛けクリアしなければ、モリーの命を奪うというゲームを始めるのだった。
ダニーがマイルズを逮捕するまでは疾走感があり上々！ さすがアクション派レニー・ハーリンと思わせたのですが、マイルズがゲームを仕掛けてからは、ホントにゲーム感覚となってしまい、リアリティを失ってます。ゆえに次から次に繰り出される派手なアクションも、ハラハラ度はゼロ！ このところ小品ながらもタイトで味のある作品を生み出していたレニー・ハーリンですが、ジョン・シナ版「ダイハード」を望まれたせいでしょうかね？ 昔の悪い面が出てしまった感じで、上っ面だけのジェットコースターに終ってました。
ルーマニアが舞台。ジャック（ウェズリー・スナイプス）率いるプロの強盗集団が現金輸送車を襲撃！成功したと思ったのも束の間、何者かの裏切りにより多くの仲間を失ってしまう。逃亡したジャックが奪ったアッタシュケースの中身は現金ではなく一枚の絵画！ その絵画を狙うロシアンマフィアが裏で糸を引いていたのだった。
第二のステーブン・セガールと化し、ヨーロッパ制覇を狙うウエズリー・アクションものの類型で新鮮味はゼロですが、テンポ良くまとめ上げているので退屈はしません。この手のアクションではそこが一番大事！ 芸術的な何かを求めているわけではないですからね。裏切り者の存在、絵画を巡る駆け引き、マフィア同士の因縁と凝ったつもりの脚本も、真面目社会では「ウエズリー運動会」の一言で片づけられてます。偶然現場に居合わせたアンダース軍曹（女性）と組んで、拷問されている仲間を救いに行くという展開は、分かっていながらも見せるものありなんですけどね。
妻に自殺されたレーサー、ジャン＝ルイ（ジャン・ルイ・トランティニャン）とスタントマンの夫を目の前で失ったアンヌ（アヌーク・エーメ）は、互いの子供を預ける寄宿舎で出会い、食事をする仲に。ジャン＝ルイがモンテカルロラリーで優勝！アンヌからの祝福の電報を愛のメッセージと受け取ったジャン＝ルイは車を飛ばし、アンヌの元へ向かうのだが・・・。
クロディーヌ・ロンジェの「男と女」を聴いてるうちに見てみようと思いました。心も身体もアンヌを思ってギンギンなのに、それでも上品に振る舞うジャン＝ルイの心の葛藤は伝わるものがありましたねー。トランティニャンほどのイロオトコでさえ、そうなんだって！フランシス・レイのあまりにも甘美なメロディを敬遠してきましたが、ラブストーリーでありながら、映像においては「攻め」の気持ちが前面で、アメリカン・ニューシネマに多くの影響を与えたと評されるのも納得です。
再開発の波にのまれ、取り壊しを迫られる弱小ビデオ店が舞台。店主のフレッチャー（ダニー・グローバー）が、大好きなファッツ・ウォラーを偲ぶ旅に出る間、真面目な店員マイクが店を見ることになるのだが、悪友ジェリー（ジャック・ブラック）のせいで店中のビデオがダメになってしまったから、さあ大変！
困った二人が、リクエストのあった「ゴーストバスターズ」、「ロボコップ」、「ドライビンMISSデイジー」等のリメイク作を撮り大受けするという、いかにもジャック・ブラックな「おバカムービー」なんですが、取り壊しの日に店にゆかりの深いファッツ・ウォラーの物語を街の人達と共に撮り、放映するという、泣かせどころもあり。そこらに感動できれば確実に「おバカ」の域を超えるものでしょう。個人的には、そういった感動は無しにして、とことんリメイク作連発で笑いに徹してほしかった気が・・・。なぜなら、その部分だけは笑えたから。
街の住人役でミア・ファロー、著作権委員会の捜査官役でシガニー・ウィーバーが出てるんですが、シガニー・ウィーバーはヤナ奴が似合い過ぎ！
未開の地ニュー・メキシコが舞台。ヨーロッパ貴族の一隊（ダゲット卿、その婦人＝オナー・ブラックマン、未亡人イリナ＝ブリジット・バルドー、イリナに求婚中のハルスタット伯など）が、狩猟目的でインディアン居留地に入り込んだため、アパッチの怒りを買い襲撃を受けることに。アパッチに追われるイリナを救ったインディアンの血をひく男シャラコ（ショーン・コネリー）は、貴族達の傲慢で軽薄な行動に怒りを覚えながらも、イリナのために脱出に手を貸すのだった。
バルドーとコネリーの組み合わせですから期待値ゼロでしたが、意外に楽しめたのでびっくり！シャラコとイリナの仲を嫉妬するハルスタッドは、沈着冷静なシャラコに対抗意識を燃やしアパッチと交戦！多くの仲間を失ったことから自分の愚かさに気づき、シャラコと共に隊を守ろうとする、という展開ですが、身分や立場を超える男の友情みたいなものが感じられて、なかなかのもの！アパッチの残虐さも作品盛り上げの重要なファクターとなってますが、言わずもがな、白人側の一方的な先住民差別映画であることに変わりはありません。その辺へのエドワード・ドミトリク監督なりの考慮も感じられる決着になってます。
夏休みを前にした漆場家。離婚を前提に別居を決めた両親（ケンイチ＝中井貴一、ナズナ＝桜田淳子）に納得がいかない小学六年生のレンコ（田畑智子）は、元の生活を取り戻そうとあれやこれやと画策！去年、みんなで行った琵琶湖畔へ旅行することになるのだが・・・。
人生には忘れてしまうことでしか逃れられないことがあるってことを知らされるレンコの戸惑い、そして成長を、相米慎二が独自に映像世界の中に描いた作品です。相米ワールドなんだろう、後半の幻想的な火祭りシーンは、否定的に言えば単なる監督のエゴとも取れますがどうなんでしょうかね？ 個人的には、こういった、いかにものゲイジツは苦手なので、とてもじゃないが賞などあげられません。
どうにも好きになれなかった桜田淳子ですが、ここでは悪くないです。
フランス、パリが舞台。国語教師のジュリアンと出版社に勤めるリザは、一人息子ダイアンと共に平和に暮らしていたが、ある日、突然、リザが殺人容疑で逮捕されてしまう。無実を主張するリザだったが、証拠はリザに不利なものだけで、裁判の結果は20年の禁固刑！精神的に不安定となり自殺未遂まで起こしてしまったリザを思うジュリアンは、リザを脱獄させようと計画を練るのだった。
パスポートを手にするために暗黒街へ踏み込んだり、逃走資金を得るために犯罪組織の金を狙ったり、と命を張るジュリアンを痛快ヒーローとして描いてないのが良いですね。計画を実行に移してからは、ちょっと無理っぽい展開だなあとも思えるんですけど、そこは、さすがの脱獄もの！緊張感が持続するのでけっこう楽しめました。アクション派としてはタイトルだけなら絶対無視！なんで、この邦題で良かったのかな？損してないかな？
ナイトクラブの花形ダンサーで大の親友の二人、ともかくお金が大好きなローレライ（マリリン・モンロー）と、お金には無頓着で金持ち自慢の成り金が大嫌いなドロシー（ジェーン・ラッセル）が、それぞれの相手と結ばれるまでを、巨匠ハワード・ホークス監督がならではの大らかなユーモアの中に描いたミュージカルコメディです。
ともすれば、「どうだ！巧いだろう」的歌自慢がハナにつくミュージカルが多いんだけど、この二人の歌はヘンに力みが入ってなくサラッとしていて良いですね。 特にモンローは！歌に踊りに芝居にラッセルの持つ豪放さが、モンローの可愛さを際立たせていますが、いかにもオツムが弱そうに映るローレライが、「殿方は利口な女より、ちょっと足りなさそうな女が好きでしょう、だから・・・」と言ってます。そこらにただのセクシースター以上のモノを感じとってこそ真のモンローファンなんでしょうね。
パーティの名簿を見て大金持ちだと知ったローレライが、手をまわして隣席を確保したものの、やって来たのは口の達者な5歳児だったー！その5歳児とローレライの二人羽織ありー！オモロー！
田舎町で退屈な人生を送っていた30歳の主婦ジャスティン（ジェニファー・アニストン）が、職場で出会った年下の文学青年ホールデン（ジェイク・ギレンホール）と関係を持ってしまったことから、のっぴきならないことになるというブラックコメディ。
誰もが現実から抜け出したいと思っているわけで、その点では普遍的なテーマなんですが、そこを感傷的に描いてないせいか無視されてるのが残念！ 小品ながら、そこはかとない虚無感を感じさせるちゃんとした作品でした。 お人好しだけど、ただそれだけの夫フィル役をジョン・Ｃ・ライリー好演。バックに流れるニック・ドレイクがこの晴れ晴れしない作品にマッチしています。
オーストラリアでクリスマスバカンスを送る夫婦（グレースとアダム）とグレースの妹のリーが、マングローブの森の中を流れる川でのフィッシングツアーに参加するのだが、すでにツアー参加者たちは出発した後。ガイドの好意で特別にボートを出してもらうのだが、ポイントに着いて間もなく凄まじい衝撃があり、ボートは転覆！ガイドが巨大ワニの餌食に・・。
マイナーヒットとなった「オープンウォーター」のワニ版とも言える一編ですが、ワニがなかなか姿を見せないことで、逆に恐怖が伝わってきます。低予算ながら見せ方が巧いってことなんでしょうね。逃げまどうグレース達に立ちはだかるように姿を現すワニに、「リアルさ欠如」なんていちゃもんつけるような余裕のない人間にはなりたくないですね！
1968年ペンシルバニアの炭鉱町が舞台。落盤事故をきっかけに、会社側と手を組み私腹を肥やしていた炭鉱組合の委員長トニー（ウィルフォード・ブリムニー）と、その下で働いていたジョック（チャールズ・ブロンソン）が対立！ ジョックは妻（エレン・バーンステイン）の後押しもあり、身の危険を感じながらも、委員長選挙に立候補するのだった。
見逃していたブロンソンものを中古ビデオ屋で発見！有無を言わせず購入！ リアルストーリーってことでしたが、これがブロンソンらしからぬ社会派ドラマで、ブロンソンは銃を手にしないどころか、こぶしを振り回すこともなし！なんでブロンソンズの一員としては気抜けしましたが、だからと言って見る価値なしではありません。ついこの間まで組合運動家がコミュニストとして迫害されていた、というアメリカのダークな現実が映し出されています。
悪徳組合員の娘役エレン・バーキンが持ち味であるアバズレさ発揮！ ジョックをつけ狙う殺し屋役でキアヌ・リーブスが小心者ぶりを見せるという、彼のファンなら見逃せない一編でもあります。