ギリシャの小島でリゾートホテルを営むドナ（メリル・ストリープ）の娘ソフィが結婚式を挙げることに。 未婚母だったドナの日記を隠し読み、父親候補の三人（サム＝ピアース・ブロスナン、ハリー＝コリン・ファース、ビル＝ステラン・スカルスガルド）をドナに内緒で招待したから、さあ、大変！
ポップグループ「アバ」のヒット曲だけで構成されたミュージカルコメディなので、当然、知っている曲ばかり。 そのせいか案外楽しめました。 突然、やみくもに歌いだすのもコメディだから許せるし。 アイデンティティを求めて父親探しをするソフィに対して、婚約者が「この結婚のために自分探しをやめたんだ」という場面あり！ そこだけはミュージカルを超えていました。 父親候補の三人の中では、ハリウッド作品への出演も多いステランに注目。 「インソムニア」の元版「不眠症」に主演してました。
何事にも消極的で、妻との離婚後は、時間があれば自宅でビデオ暮らしのカール（ジム・キャリー）。 そんなカールが、いつどんな時でも「ＹＥＳ」と言うことで人生を変えよういうセミナーに参加！ その日以来、友人の誘いはもとより、ホームレスの頼みごとから、全ての勧誘、イベントに参加するカールの人生に大きな変化が・・・。
痛快タッチで描くヒューマンコメディで、ジム・キャリーのドタバタが嫌いでなければ十分に楽しめるはず。 ただし、なにも考えず「ＹＥＳ」という発想は宗教！ そこらはさりげなくクリアしてますが、たかがコメディとはいえ、きな臭さはあり！
スクーターで登場した恋人アリソン（ゾーイ・デシャナル）のキュートさは魅力！ カールの習い覚えたばかりのギターと歌に救われる自殺志願者役でルイス・ガスマン。
仕事に疲れ、引退を考える殺し屋、ジョー（ニコラス・ケイジ）が、最後に選んだのは、バンコックでの４件の殺しだったが・・・。 連絡係りとして雇ったコンを弟子にし、薬局で知り合ったフォンを愛したことによって、自らが課した生き延びるためのルールを破らざるを得なくなるのだった。
人を愛したことで非情に徹することが出来なくなった殺し屋の孤独を描いた作品ですが、意外性に欠けるありきたりなアクション作に終わってました。 バンコックならではの水路での銃撃戦もいまいち盛り上がらず！ ニコラス・ケイジ低迷！
父親の反対を押し切り、兄のいるフロリダビーチへと遊びに来たダニエル（シャノン・ルシオ）は、シェーンという青年と出会い、楽しいバカンスを過ごそうとしていたのだが、ビーチにはサメの群れが迫っていた！
怪しいタイトルのＢ級「サメ」ものですが、「ジョーズ」をスピルバーグ最高作としているワタシとしては見てしまいます。 チープだけどそれなりにスリルがあるのは、さすが「サメ」もの！ ダニエルに言い寄るチャラい金持ち学生とバイトに精出すシェーンとの対立も見せ場となっているのでＢとしてバッサリは不憫。 海中に撒餌をする男（ブライアン・ブラウン）の存在を描ききれなかったのが残念！ シェーンの母親役でキャシー・ベイカー。
麻薬取引でギャング同士が撃ち合いに。現場近くでキャンプをしていた刑事のチックは、まだ息のあるギャングを射殺！ 仲間と共に金と麻薬をねこばばしようと企むのだが・・・。 現場から逃げ延びたギャング、ブライアン（ジャド・ネルソン＝実は潜入捜査官）は、チックのとった行動のすべてを見ていたのだった。
Ｂ級アクションですが、監督がマーク・Ｌ・レスターなので決して無視できません。 ギャングのボスが差し向ける殺し屋サンドラの冷酷さが魅力！ チックを追うブライアン、サンドラの三つ巴にチックの友人達が絡む展開にも監督の意欲が感じられます。 サンドラだけじゃなく、チックの女友達二人も無名ながらそこそこ綺麗なのもプラスポイント！
百万長者と結婚して優雅に暮らすことを夢見るポーラ（マリリン・モンロー）、ロコ（ベティ・グレイブル）、シャッツイ（ローレン・ヴァコール）の三人組が、共同生活しながらチャンスをものにしようと画策も、思い通りに行くはずもなく・・・。
他愛もないコメディですが、もっとも計算高いはずのシャッツイが、金持ちの翁と結婚寸前でキャンセル、ガソリンスタンドの店員を選ぶという定石どおりの展開も、ラブコメならではのオチも、あの時代ならきっと大受けだったでしょう。 シャッツイ役にヴァコール起用も大当たり！
ユタ州の田舎町に謎の病原体（アンドロメダ）が付着した人工衛星が落下！ 見る間に汚染は広がり、人類に危機が迫る。極秘に召集されたストーン博士（ベンジャミン・ブラッド）を中心とする科学者は、生き残った人たちを隔離、撲滅方法を探るのだが・・・。
ＴＶ映画なのでスケールは小さいが、それなりにスリルあり！ ただし、アンドロメダが、未来の人類がタイムスリップによって現代に送り込んできたものという設定を無理なく受け入れる広い心が必要でしょう。 ありきたりながら、文明批判を含んでいるのもＳＦものの常道。 マイケル・クライトン原作で、かつてロバート・ワイズで映画化された作品（恥ずかしながら未見）のリメークです。
麻薬王サンチェス（ロバート・ダヴィ）に友人を殺されたボンド（ティモシー・ダルトン）が、諜報員のライセンスを捨て復讐に燃えるハードアクション！
これでもかのアクションは文句なしに楽しめるし、悪役に渋いところがズラリなので見直す価値あり！ サンチェスと組んでいる商人クレスト役に我等のアンソニー・ザービ。 カジノの警備主任役はドン・ストロード。 そして、ゲイの殺し屋役で若き日のベネチオ・デル・トロ。 香港の麻薬捜査官役ケイリー＝ヒロユキ・タガワは、お約束の忍者姿を披露。 惜しむらくは、かなり活躍するボンドガール（キャリー・ローウェル、タリサ・ソト）の質が低すぎたこと。
脱獄に成功した初老のギャング、ギュ（ダニエル・オートゥイユ）は、未亡人となっていたマヌーシュ（モニカ・ベルッチ）に再会。二人で高飛びするための資金作りに金塊強奪犯に加わるのだが、パリ警視の罠にはまり逮捕された上、仲間を売ったとのウワサを流されてしまうのだった。
仁義を重んじるギュが、命を張って誤解を解こうとする姿をハードなタッチで描いた犯罪もの。 ジョゼ・ジョヴァンニ原作をジャン＝ピエール・メルビルが監督した「ギャング」のリメークですが、リメークという弱さは感じられず、なかなかのデキ！ リノ・ヴァンチュラほどのスケールはないが、オートゥイユも悪くない。
バイク事故で死の淵を彷徨ったフランシス（オーウェン・ウィルソン）は、絶交状態にあった弟のピーター（エイドリアン・ブロディ）、ジャック（ジェイソン・シュルツマン）を呼び寄せ、インド北西部を走るダージリン急行での旅に誘うのだが・・・。
いかにもウェス・アンダーソンならではの映像世界が展開されるロードムービーで、へんてこ！ へんてこだけど、ほのぼの感ありなのでファンが多いのも解ります。 内容的には、けっこう好きだった「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」以上のものは感じられず。 頭打ち感あり！ アンダーソン作品には欠かせないビル・マーレーが、列車に乗り遅れるサラリーマン役でゲスト出演。
９．１１テロ後も、共にジャーナリストとして活躍する夫婦マリアンヌ（アンジェリーナ・ジョリー）とダニエルは、アジア各国の取材に駆け回っていたが、帰国直前になってダニエルが失踪。 テロリストによって誘拐されたのだった！
９．１１テロ後のアラブ、アジア周辺の現実を扱った作品ですから、娯楽性なしを覚悟しなければなりません。 果たして、予想通りの重苦しい展開で、あのあたりの国家間事情に精通してないと入り込めない可能性もあり。 絶望の中でも、前向きに力強く生きようとするマリアンヌの姿が救いになれば見る価値ありでしょうが、ワタシにとっては、ただただ息苦しいだけの作品でした。 捜査に加わるランダル・ベネット役にウィル・パットン。
訳ありで警官をやめたトム（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）は、犯罪現場の血痕などを清掃する仕事を請け負っていたが、架空の依頼主の仕事を受けてしまったことから警官汚職事件へと巻き込まれていくのだった。
「衝撃の結末」と謳われているが、共演メンバーから、なんとなく犯人が見えてくるので衝撃はなし！ トムと娘の関係を丁寧に描いているので好感は持てるが、やはり謎解き的には弱く、ありきたりのサスペンスに終わってました。「マインドハンター」で、大雑把なアクション専門から脱却したレニー・ハーリンなので期待したが残念！ かつての警官仲間に、エド・ハリス、ルイス・ガスマン。
湾岸戦争で負傷、精神的な後遺症にも苦しんでいるマクファーソン（ヴァル・キルマー）のもとに、メキシコ人の戦友ミゲルから、「アメリカに移住し農場をやるから手助けを頼む」と連絡が。 しかし、約束の地を訪れたマクファーソンを待っていたのは、ミゲルの死と人種差別主義者でその土地を牛耳っているローズの嫌がらせだった。
主演ヴァル・キルマー（すっかりデブって、シャープさ無し）、共演ジェニファー・エスポジートでは見逃すことのならない作品ですが、それはあくまでも個人的なこと。 内容的にはＢ級アクションの域を出ていなく、マクファーソンがローズの手下を次々と倒していくシーンは手抜きで穴だらけ。 それでも、ローズに従う警官達がまったくの悪者として描かれていないところは救い。
レコード会社の新人発掘部に在籍する栗田かんな（宮崎あおい）は、インターネットでイケ面パンクバンド「少年メリケンサック」のライブ映像を見つけ、契約交渉にこぎつけたのだが、映像は２５年前のもので、現われたメンバーは、かつての面影が微塵もないイカレタおっさん達だった！
実際、バンド活動にも手を出している宮藤官九郎監督第二作ですが、こっちの感覚に問題ありなのか、一作目に続き、またしてもまったく笑えず！ 退屈なデキ！ イメージをぶち壊し、はじけて見せる宮崎あおいのキャラにおんぶに抱っこで、内容的にはまったくの評判倒れ！ これがクドカンワールドだというならば、そんなワールドいりません。
美大生のユイ（新垣結衣）は、一緒に住んでいた姉の結婚で、引っ越して一人暮らしをすることに。 前の家に忘れ物を取りに行った時、住人となっていた建築家のアツコ（菊地凛子）と知り合い友達となるのだが、アツコの恋人タカシ（松田龍平）が、ユイが引っ越したアパートの住人であったことから始まるという、地に足つかないラブ・ストーリー。
三人の関係はもちろん、何から何までリアリティに欠けるので、ファンタジーとでも捉えない限り見てられませんでした。 ガッキー初主演作とのことで、ガッキー持ち上げが何より大事だったのでしょうが、あまりにもイージー！
ひょんなことから警察沙汰を起こしてしまい、家に居づらくなった鈴子（蒼井優）は、「百万円貯まったら、家を出る」と家族に宣言。 それからは、他人との付き合いから逃れ、百万円貯まるごとに町から町へと移り住むことに。 そんな鈴子だったが、とある町の仕事先で出会った中島亮平（森山未来）を好きになり、遂には落ち着こうと思うのだが・・・。
コメディタッチでありながら、「自分探し」みたいなウソ臭さを真っ向から否定してみせるあたりは、どことなく「ファイブ・イージー・ピーセス」を思わせて残るものあり。 中島のとった態度は、甘っちょろい恋愛小説だけど、嫌味を言う気にならないのは、中島役の森山未来の「普通な感じ」に好感を持ったから。 もちろん、蒼井優も良い！
ネット犯罪を取り締まるＦＢＩ捜査官ジェニファー・マーシュ（ダイアン・レイン）が、サイト上で公開殺人を企む犯人と対決するサイコサスペンス。 ＦＢＩの捜査をあざ笑うように、ジェニファーの相棒グリフィンを捕らえ、死に至らしめた犯人の手は、いよいよジェニファーにも迫るのだが・・・。
死の直前にグリフィンが、両目を使ったモールスでメッセージを送るというアイデアは、デジタルＶＳアナログの図式通りだが悪くない。 むしろ、脚本的に問題なのは、ジェニファーが、みすみす犯人の罠にはまり捕まってしまうこと。 いくら盛上げのためとはいえ、あまりにイージーでガッカリだ！ これだけキレル捜査官がなぜ？ どうしても納得いきません。
自身の病気のせいで妻とも亀裂が生じ、落ち込んでいた刑事ステファンのもとに、引退したかつての相棒モリーンが、惨殺死体となって発見されたとの知らせが届く。 管轄を離れ捜査に参加したステファンは、地元の刑事ジョゼッペと協力。 事件の陰にナチの秘密組織が関係していることをつきとめるのだが・・・。
スェーデンを舞台にしたヨーロッパ産ミステリーなので大袈裟なアクションもなく、きわめてオーソドックスな展開。 ゆえに、意外性には欠けますが、その分、じっくりと落ち着いて見れました。 マキシミリアン・シェルの存在が作品に重みを持たせていますが、主人公ステファンが重病という設定は、いかにもとってつけた感じで意味なし！
１８年の刑務所暮らしを終えたエルウッド（ダン・エイクロイド）を待っていたのは、相棒ジェイクの死だった。 悲しみを乗り越えるため、再びブルースバンドの結成を決意するのだが、トラブルの連続で、警察やロシアン・マフィアに追われるはめに。
続編ですからインパクトには欠けますが、バンド活動の楽しさ、音楽の素晴らしさが十分に伝わってくるデキ。 ジェイクの代わりのマイティ・マック（ジョン・グッドマン）に、孤児のバスターと警察署長キャベルを加えたブルース・ブラザースのキメキメじゃなく、適度にルーズなダンスには、古き良きソウルミュージックの香りがプンプン。 オーディションで対抗するバンド、ザ・ルイジアナ・ゲイターボーイズのメンバーも超豪華！
ドジな仲間と組んだために監獄送りになっていたレイ（ミック・ロッシ）が出所。 幼なじみテリーの死を知り、父親の元を訪ねるのだが、そこで、テリーを殺した犯人の殺害を依頼されるのだった。
「アメリカン・ギャングスター」の発売に便乗してリリースされた未公開作品なので、いかにも怪しいのですが、予想通り、悪徳刑事と犯罪者とギャングが入り乱れる、極めてスケールの小さなスタイリッシュ・アクションものでした。 ヴァル・キルマー、ガブリエル・バーン、ヴィニー・ジョーンズ、パトリック・バーギン、ジョアンヌ・ウォーリー等、そこそこの人達がそこそこの役で出演も、主演はあくまで製作、脚本のミック・ロッシ。 「スタイリッシュと言われた作品に名作無し」の格言は脈々と生きていました。
街のチンピラ達に恋人アンバーを傷つけられたデュークは、拳銃を手にチンピラ達のアジトへ向かうのだが、そこでは、悪徳警官サム（クリスチャン・スレーター）と、サムの金をネコババしたチンピラ達との銃撃戦が行われていた。 血の海の中で大金を手にしたデュークは、愛するアンバーと逃避行を謀るのだが、生き延びたサムの手が迫っていた。
小品の逃亡アクションもので、誰もいじることなしもやむなしですが、大金に絡む小悪党とのエピソードに工夫が見られたのが救い。 テンポが良いので期待しすぎなければそれなりに楽しめるかも？ クリスチャン・スレーターは、Ｂ級アクション街道まっしぐらか？
かつて悪の道を生きたバル（監督、脚本も兼ねているドワイト・ヨーカム）は、とある街で保安官となっていたが、そこへ、彼の育ての親リーランド（ルーク・アスキュー）率いる無法者一家がやってきた。 一家はバルに再び行動を共にするよう誘うのだが、拒否されると、街の銀行を襲って逃亡！バルと一家の壮絶な戦いが始まるのだった。
往年の西部劇を思わせる展開ですが、テンポが悪く、間延びしている上に、やけにサディスティックで下品なシーンが多くガックリでした。 ルーク・アスキューだけでなく、ボー・ホプキンスやマット・クラークも起用されていて、サム・ペキンパーへのオマージュとも受けとれるだけに、なおさら残念！ 他にも、スコット・ウィルソン、バッド・コート、ビリー・ボブ・ソーントン、ヴィンス・ヴォーン、ピーター・フォンダ＆ブリジット・フォンダとそそられる顔ぶれなので、ますます残念！ これだけの面子を揃えるチカラがあるドワイトは、凄いんだけどなあ。 それだけなんだよなあ。
黒人街の保育所で働くブレンダ（ジュリアン・ムーア）が、黒人にカージャックされ乗っていた子供を連れ去られたと訴えてきた。 担当のロレンゾ刑事（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）は、ブレンダが何かを隠していると感じるのだったが・・・。
人間の孤独を人種差別問題に絡ませて描こうとした作品ですが、ブレンダという人間がまったく理解できず、伝わるものなし！ ジュリアン・ムーアの大袈裟な演技がひたすら虚しかったです。 救いはロレンゾの相棒役を演じたウィリアム・フォーサイスだけ。 知る限り人間的な部分を見せる役に恵まれてなかった気がするけど、ここではサラッとした感じでロレンゾを支えていました。
非人道的なナチス政権に疑問を抱いたドイツ将校たちによる、ヒトラー暗殺計画を描いたサスペンス。 シュタウフェンベルク大佐（トム・クルーズ）の手によってヒトラーは爆死！ 反乱やクーデターが起きた時の予備軍を利用するワルキューレ作戦が開始されるのだが・・・。
実話を基にしているとのことなので、地味に淡々と展開されるのは仕方無いにしても、見ている側は誰もが失敗に終わることを知っているのだから、それ以上の何かがなければ楽しめないはず。 ドイツ軍人にも立派な人間がいたことを伝えた「鷲は舞い降りた」と比べるとあまりにもスリルに欠け、平坦なデキでガックリ！